1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03610200
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
尾野 比左夫 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (40071534)
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Keywords | 西洋史学 / ランカスタ-朝二重王政 / 百年戦争 / ヘンリ-6世摂政期 / 諮問会議 / イギリス摂政 / フランス摂政 |
Research Abstract |
本年度は、イギリス絶対主義国家の成立要因を培養したランカスタ-朝ホンリ-6世の外交政策の特質を考察した。更に、ヨ-ク朝エドウワ-ド4世治世前半期(1461ー70)の外交政策とランカスタ-朝1時復位を巡る大陸諸国の動向についてもあわせて検討した。しかし、とくに重要なのは、ヘンリ-6世の外交政策である故、この点に力を入れた。 ヘンリ-6世の外交政策は、ヘンリ-5世の意図したランカスタ-朝二重王政Lancastrian Dual Monarhy二複合国家体制を推進したが、それを解体に導く結果となった。百年戦争の敗北・外交政策の失敗である。ランカスタ-朝二重王政の解体は、中世的封建国家形態を、同朝の崩壊は、大貴族支配体制を終らせ、絶対主義国身国家への道を開いた。ヘンリ-6世の外交政策は、かかる行特への接着材の役割をはたした。 これら研究成果の主要点を要約すると次の通りである。 I ヘンリ-6世の外交政策 【○!A】摂政期ー1422〜37年の外交ーランカスタ-朝二重王政の成立・維持・後退、対仏百年戦争の優位から劣勢の背景(政府・諮問会議内の対立) 【○!B】親政期ー1437ー53年の外交ー対仏戦争敗北の過程と二重王政解体に導く英仏外交 大陸における解体要因としてのブルブ-ユュの動向 【○!C】混乱期ー1453〜61年の外交ー対仏戦争終了以後の西欧外交・対仏関係の変化(ヘンリ-6世の親仏政策への転換) II ヨ-ク朝エドワ-ド4世治世前半期の外交政策とランカスタ-朝1時復位期の大陸諸国の姿勢ーエドワ-ド4世の親ブルゴ-ニュ策とウオリック伯の親仏策の対立 上記成果を挙げたが、この中とくに、基本となルヘンリ-6世治世摂政期の外交を中心に論を展開、この成果の1端が『鳴門教育大学研究記要』(7)の掲載した論文である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 尾野 比左夫: "ヘンリ-6世摂政期における外交政策の特質" 鳴門教育大学研究紀要(人文・社会科学編). 7. 51-68 (1992)
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[Publications] 尾野 比左夫: "バラ戦争の研究" 近代文芸社, 276 (1992)