1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03610221
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Research Institution | Aoyama Gakuin Women's Junior College |
Principal Investigator |
出雲 朝子 青山学院女子短期大学, 国文学科, 教授 (60084208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊島 正之 北海道大学, 文学部, 助教授 (10180192)
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Keywords | 玉塵抄(ぎょくじんしょう) / 抄物(しょうもの) / 惟高妙安(いこうみょうあん) / 階層デ-タ |
Research Abstract |
『玉塵抄』全五十五巻は、有力な中世国語資料である「抄物」文献中でも屈指の資料性で聞こえている。何分、抄物中でも一二を争うその量と、複数の書写者による複雑な書写過程が、その言語の包括的把握を困難にしている。既に(過年度の研究で)最有力写本である国会本の三人の書写者の巻につき基礎的研究を終えたが、本年度は、「注釈書」としての抄物は、施注の有無・疎密をも含めた、本文・注釈、注釈相互の関係を踏まえて読まれるべきものという基本的立場から、デ-タ形式の改編を主に研究を進めた。 本年度の成果は 1 注釈・被注釈関係を明らかにするデ-タ形式の検討 注釈とその対象部分とをリンクするデ-タ形成、階層化のより洗練された表現の検討を行い、ISO(国際標準化機構)規格のあるSGMLのタグ形式の採用を検討した。 2 国会本書写者の写本のデ-タ入力 国会本の巻九を入力した。 の二点である。尚、SGMLの適否の問題に就ては、現段階では日本語SGMLの規格が未制定の為、独自の拡張によらざるを得ない為、尚検討し、来年度に引続き研究を進める予定である。これを含め、デ-タ形式の改編に就て尚調査を行い、来年度に研究報告書として刊行すべく、現在研究を進めている。
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