1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03610259
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
切替 英雄 鳥取大学, 教養部, 助教授 (20205040)
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Keywords | アイヌ語 / アイヌ語辞典 / 金田一京助 / 久保寺逸彦 / 抱合語 / 複輯合語 |
Research Abstract |
本研究は、アイヌ語研究者、アイヌ民族学研究者、さらに一般の読者が口承文芸作品を直接原文から読むさいに利用できるアイヌ語辞典を編集するための予備的研究である。 既に刊行されているアイヌ口承文芸作品のうち、最も科学的分析に耐え、既に古典的なものとなっているテキストから下にあげるものを選び、その全テキストをコンピュ-タ-に入力した。 金田一京助『ユ-カらの研究II』東洋文庫1931年 金田一京助『アイヌ聖典』世界文庫刊行会1923年 金田一京助『アイヌ叙事詩ユ-カラ集I〜区』三省堂1959〜1975年 久保寺逸彦『アイヌ叙事詩神謡聖伝の研究』岩波書店1977年 これらの文献に見られるアイヌ語テキストの総行数は、約121,300行にのぼる。平成3年度は、これをすべて原典のままMSーDOS標準テキストの形式で入力した。 来年度以降、これらのテキストの総索引を編集する。その際、特に留意するのは次の点である。 アイヌ語は抱合的言語であり、また複輯合語的でもある。そのためほとんどの単語は2個から7、8個の語構成要素から成り立っている。そこで、各々の単語がどのような構成要素から成り立っているかを示さず、また、その構成要素の意味と文法機能を明らかにしない辞書はほとんど利用価値がないことになる。そこで、語構成要素がどの単語に現れるかをすべての単語について調べ、その意味と文法機能を明らかにする。
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