1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03630011
|
Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
高橋 一 一橋大学, 経済学部, 教授 (70154838)
|
Keywords | 時系列 / 逐次分析 / 金融デ-タ / 構造変化 |
Research Abstract |
金融先物・オプション等の価格や収益率の時系列の構造変化時点の検定及び推定については,基本的には正規ランダム・ウォ-クの平均又は分散の変化時点の発現問題に還元する事により研究を進めてきた.これまで“停止時刻"を分析の主な導具として研究を進めてきたが,本年度は“最終時刻"に注目し境界交差問題を考えることにより非線型更新定理の証明が大巾に簡単化された。さらに正規性の仮定をはずし,一般の指数分布族のケ-スで非線型更新定理の漸近展開が可能となった。これにより,今まで分散改知の正規分布にのみ適応可能であった非線型更新定理の漸近展開が,分散未知の場合の平均の変化時点の研究や,分散の変化時点の問題にも応用ができる様になった。しかしながらこの方法は変化時点が二つ以上存在するモデルには適応不能である事も同時に明らかになった。したがって初期の目的であるエピデミックモデルの分析については,残念ながら旧来の方法を踏襲する事とした。一方より間接的なアプロ-チも本年度は検討している。これは弱漸近展開(Very WeaK Expansion)とC。Steinの方法による中心極限定理証明方法とを結合したもので,ベイジャン的な手法を用いる事によりブラウン運動による近似と同様大巾に計算が簡略化される。現在〓の所この方法を用い回帰モデルの係数推定を研究しているが,ここで用いられている方法は,ほぼそのままの型で我々の問題にも応用可能である。(打ち切られたデ-タ(truncoted data)のもとでの推定問題故,もともとの構造変化問題より若干複雑である)。最終時刻をもとにした研究結果は,近い内にも,Siegmunとの共著論文の型で出版する予定である。
|
Research Products
(1 results)