1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03640109
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
長岡 昇勇 近畿大学, 理工学部, 助教授 (20164402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 暢夫 近畿大学, 理工学部, 講師 (10088403)
青木 貴史 近畿大学, 理工学部, 助教授 (80159285)
田沢 新成 近畿大学, 理工学部, 助教授 (80098657)
泉 脩蔵 近畿大学, 理工学部, 助教授 (80025410)
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Keywords | Automorphic Forms(保型形式) / Eisenstein Series(アイゼンスタイン級数) |
Research Abstract |
研究目標であった多変数保型形式に関して,そのアイゼンスタイン級数の解析的性質の解明について成果があったので報告したい.アイゼンスタイン級数は,保型形式を構成する手段の一つとして重要であるばかりでなく,それ自身,興味深い解析的性質をもつ.たとえば,ある種の徴分作用素の国有関数になること等があげられる.今回,このアイゼンスタイン級数がウエイトの低いところで,どの様な解析的性質をもつか,という問題について,いくつかの結果を得た.マックス・プランク数学研究所のコ-ネンは,2次のジ-ゲル・モジュラ-群に対するアイゼンスタイン級数についてウエイトが2の場合に,この問題を考え,その原点におけるフ-リエ展開の具体的式を与えた.我々の成果の一つは,このコ-ネンの結果の簡単な別証明を与えたことにある.コ-ネンはヤコビ・モジュラ-群に対するアイゼンスタイン級数を分析することによりその結果を得たが,我々の方法は,カウフホルトによるジ-ゲル級数の具体的式と,志村による一般化された合流型超幾何関数の解析的性質による深い分析とを結合させたものである.この方法の利点は,他のモジュラ-群に関しても適用可能である,という点である.実際,我々は,2次のエルミ-ト・モジュラ-群に対して,その対応する虚二次体の類数が1であるという条件のもとで,ウエイト2のアイゼンスタイン級数が消減することを証明した.これは上記の結果と比較しても,作用する群によって,そのアイゼンスタイン級数のふるまいが極端に異なることを示しており興味深く思われる.これが我々の得た2番目の結果である.さらに我々は,この方法が2次の四元数エルミ-ト・モジュラ-群のアイゼンスタイン級数に対しても全く同様に適用されることを確かめた.この場合ウエイトチのアイゼンスタイン級数が2次の四元数エルミ-ト形式に対するテ-タ関数と定数倍を除いて一致することが確かめられた.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 長岡 昇勇: "On Eisenstein series for the Hermition modular groups and the Jacobi groups" Ab handlungen aus dem Mathematischeu Seminar der Universitat Hamburg. 62. (1992)
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[Publications] 泉 脩蔵: "Increase,convergence and vanishing of functions along a Moishezon space" Journal of Mathematics of Kyoto University. 32. 245-258 (1992)
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[Publications] 青木 貴史: "Characteristic set of differential operators of infinite order" Geometrical and algebraical aspects in several complex varibles. 1. 1-11 (1991)
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[Publications] 田沢 新成: "Enumeration of digraphs with given number of vertices of odd outーdegree and vertices of odd inーdegree" Discrete Mathematics. 90. 63-74 (1991)
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[Publications] 中川 暢夫: "The nonーexistence of right cyclic planar functions of degree P^n for n≧2" Journal of Combinatrics Theory. 59. (1992)