1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03640138
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
吉田 範夫 富山大学, 理学部, 教授 (80033934)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 正昭 富山大学, 理学部, 教授 (10037236)
藤田 安啓 富山大学, 理学部, 講師 (10209067)
池田 榮雄 富山大学, 理学部, 助教授 (60115128)
久保 文夫 富山大学, 理学部, 助教授 (90101188)
風巻 紀彦 富山大学, 理学部, 教授 (50004396)
|
Keywords | 関数方程式 / 確率微分方程式 / 安定性 / 零点分布 / ボルテラ方程式 |
Research Abstract |
関数方程式の定性的理論の中で,重要な研究対象の一つである振動理論については,高階楕円型方程式のすベての解が振動するための十分条件と,波動方程式に対する共振現象の基礎理論が得られた。特に共振現象に関しては,その理論の確立は以前に無かったことで,新しい前進といえる。また,確率論的立場からのアプロ-チとして,指数的マルチンゲ-ルの研究がなされ将来に明るい展望を与えた。更に,反応一拡散系に対する安定解析の研究が進展し,確固たる基礎が築かれた。確率微分方程式からの手法により,積分一偏微分方程式に対するエネルギ-法を用いて解の存在が示され,バナッハ空間におけるボルテラ方程式についても研究成果が得られた。抽象的立場から,関数解析的手法により,発展方程式の解の存在,一意性,性質等が詳しく調べられて,更に発展する余地がある。応用数学においては,物理・工学との関連で,作用素論的方面からの探究が必要であり,それについても未来への進展につながる結果が得られた。今後の研究発展に結びつく萠芽として,関数変数をもつ楕円型方程式の振動に関する結果と,遅れをもつ放物型方程式の振動定理が得られた。特に,関数変数楕円型方程式の振動についての結果は従来一つだけであり,その意味で,将来の理論進展に大きく寄与するものと思われる。また,遅れをもつ放物型方程式は非線形で,かつ外力項がある場合で,従来にない新しい証明方法を含んでいる。今後の課題として,放物型方程式に対する初期値問題の振動を研究すること,双曲型方程式に対するグルサ-問題を研究すること,に気付いたのも大きな収穫であった。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] N.Yoshida: "Oscillatory Properties of Solutions of Certain Elliptic Equations" Bull.Austral.Math.Soc.45. 297-303 (1992)
-
[Publications] N.Yoshida: "Resonance Oscillations of Wave Equations" Differential Integral Equations.
-
[Publications] N.Kazamaki: "Exponential Martingales and H^P" Math.J.Toyama Univ.14. 209-211 (1991)
-
[Publications] H.Ikeda&M.Mimura: "Stability Analysis of Stationary Solutions of Bistable Reactionーvariable Diffusion Systems" SIAM J.Math.Anal.22. 1651-1678 (1991)
-
[Publications] Y.Fujita: "Energy Inequalities for Integroーpartial Differential Equations with RiemannーLiouville Integral" SIAM J.Math.Anal.
-
[Publications] Y.Fujita: "A Probabilistic Approach to Volterra Equations in Banach Spaces" Differential Integral Equations.