1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03640140
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
奥村 善英 金沢大学, 工学部, 助手 (90214080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎本 文彦 金沢大学, 工学部, 助手 (80135045)
谷川 明夫 金沢大学, 工学部, 講師 (00163618)
佐藤 卓治 金沢大学, 工学部, 講師 (30019781)
井上 克己 金沢大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (00176421)
新濃 清志 金沢大学, 工学部, 教授 (50016052)
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Keywords | タイヒミュラ-空間 / モジュライ空間 / 離散群 / クライン群 / フックス群 / リ-マン面 / 一変数複素函数論 |
Research Abstract |
今年度の研究課題に関して、複素平面内の単位円板及び上半平面U上の自己等角写像群Aut(U)について重点的に取り組み、以下の結果を得た。 1. X,Y,Z=(YX)^<-1> ∈ Aut(U)のactionは次のtraceの値達により「ある意味」で完全に決定できる。 (1) |tr(X)|,|tr(Y)|,|tr(Z)|. (2) tr(Z)tr(Y)tr(X). (3) tr([Y,S])=tr(Y^<-1> X^<-1> YX). ここで「ある意味」と述べたのは、traceの値はtr(X)=tr(X^<-1>)=tr(AXA^<-1>),A ∈ Aut(U)となることから、trace達のみでX,Y,Zを記述しようとしても、一次変換による共役の自由度とX,Y,Zの1つのactionの向きを指定する自由度が残るからである。しかし、この自由度から〈X,Y〉が離散群となる場合には表現するRiemann面での議論に幾何的な解釈が出来、有効となる。例えば、building blocksと呼ばれる基本的な離散群達のmoduliの決定、そしてTeichmuller空間の大域的実解析的座標の構成に役立つ。 2. Uに作用する有限生成離散群からの行列群SL(2,C)へのliftが存在するための必要十分条件、そしてliftが存在するときには、そのliftの特徴付けが得られた。このlift特徴付けは、I.Kra(1985)が提出した問題の答えとなっている。しかし、その一部はSeppala,M.and Sorvali,T.(1991)により報告された。 現在、次の予想を思い付き、考察中である。 予想。Gをlift可能なcompact型の離散群とする。このときGが表現するRiemann面上のdividing loopに対応するGの元のliftは、liftの取り方によりず一定で、負の行列表現となる。
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