1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03640196
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
名取 亮 筑波大学, 電子情報工学系, 教授 (70013745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小柳 義夫 東京大学, 理学部, 教授 (60011673)
今井 仁司 筑波大学, 電子・情報工学系, 講師 (80203298)
北川 高嗣 筑波大学, 電子・情報工学系, 講師 (60153095)
池辺 八洲彦 筑波大学, 電子・情報工学系, 教授 (10114034)
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Keywords | 大型線形方程式系 / 線形最小2乗問題 / 大型疎行列 / 固有値問題 / ランチョン法 / ブロックランチョス法 / 再直交化 |
Research Abstract |
本研究では,大型線形計算のアルゴリズムのうち,大型線形方程式系の高速数値解法と大型疎行列の固有値問題に対するランチョス法について重点的に研究した。 1.大型線形方程式系の数値解法については,特に線形最小2乗問題を取り上げて,Orthomin(k)法の前処理および収束特性について研究した。 2.大型疎行列の固有値問題については,ランチョス法を取り上げて研究した。ランチョス法は大型疎行列に適したアルゴリズムであるが,計算を進めるにしたがってランチョスベクトルの間の直行性が丸め誤差のために崩れるという欠点を持っている。この直交性の崩れを防ぐために計算の途中で再直交化を行う必要がある。我々は再直交化のアルゴリズムとして,新しい方法(RIC)を考案し,従来の再直交化法(PROとSO)にくらべて優れていることを示した。また,単純なランチョス法では重複固有値を正確に求めることは不可能で,ブロックランチョス法を用いる必要がある。我々は,単純なランチョス法に対して考案した再直交化法(RIC)をブロックランチョス法に拡張することを試みた。そのために,ランチョスベクトル間の直交性を表す量が満す漸化式をブロックランチョス法に対しても導き,それを用いて直交性の崩れを検出するようにした。この方法も従来の方法にくらべて優れていることを示すことができた。特に,すべての固有値を正確に求めることができない場合には,どの固有値が信頼できる固有値であるかを示すことができる点が我々の方法の特徴である。
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[Publications] H.Imai: "A New Reorthogonalization in the Lanczos Algorithm" Journal of Information Processing. 14. 56-59 (1991)
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[Publications] H.Imai: "A method for finding bifurcation points" Control Cybernetics. 20. 7-19 (1991)
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[Publications] SーL.Zhang: "Orthomin(k) Method for Linear Least Square Problem" Journal of Information Processing. 14. 121-125 (1991)
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[Publications] T.Kitagawa: "Asymptotic stability of the fundamental solution method" J.of Computational and Applied Mathematics. 38. 263-269 (1991)
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[Publications] H.Iguchi: "Reorthogonalization in the Black Lanczos Algorithm" Bulletin of the Greek Mathematical Society.
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[Publications] 細田 陽介: "Lーカ-ブによる不適切問題の最適正則化について" 日本応用数理学会論文誌.