1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03640244
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中田 好一 東京大学, 理学部, 助教授 (80011740)
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Research Abstract |
本年度は、野辺山電波観則所45m鏡を用いて、銀河系バルジに属する赤外線星からの酸化硅素(SiO)電波線の観則を行った。観測対象の数が多いため、銀緯が7度から8度の間にある約150天体を集中的に観測した。これは、バルジを横にスライスした一片の運動を調べる事に相当する。観測デ-タは現在解析中であるが、同じ振舞を示すと期待していた銀緯がプラスの星のグル-プとマイナスのグル-プとで、視線速度の分布に差が現れるという予備的な結果が得られている。この現象の確認のため平成4年度にはバルジの更に内側にあたる銀緯4度から5度の間の観測を計画している。 一方、赤外観測に関しては現在南アフリカ天文台と協力して赤外Kバンドの変光を観測している。7度から8度にかけての星の観測は南アフリカ天文台の研究者の手により既に完了しているので、本年度は4度から5度にかけての星の観測を開始している。近年中に個々のバルジ天体への距離を決定できるであろう。又、これに関連するが、赤外観測衛星IRASのデ-タを統計的に処理してバルジの全体的形状を推定する研究を行い、結果を英国の科学雑誌ネ-チャ-に発表した。 赤外観測は南アフリカのみでなく、日本においても行う必要がある。そのため、木曽観測所の105cmシュミット望遠鏡に塔載したプラチナシリサイド赤外画像装置を用いて、赤外線星の測光観測を計画し、本年度はその予備テストを行った。結果は良好で、夏期の天候次第では日本のサイトからバルジの観測を行える事が判った。
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