1992 Fiscal Year Annual Research Report
近赤外線波長域での撮像観測に基づく距離基準銀河の基本構造の研究
Project/Area Number |
03640246
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
市川 隆 東京大学, 理学部, 助手 (80212992)
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Keywords | 近赤外線 / 撮像 / 2次元検出器 / 銀河 |
Research Abstract |
国立天文台で開発された512行512列の素子数を持つ赤外線撮像装置を東京大学理学部天文学教育研究センター木曽観測所の105cmシュミット望遠鏡に取りつけ、本望遠鏡の赤外線観測における性能評価を行った。特に望遠鏡内部の熱摘射が主要な雑音源となることが判明したため、コールドバッフルとフィルター部の改善を行った。その結果波長1,25ミクロン、1.65ミロクンのそれぞれJとHバンドにおいての熱雑音は無視できる程に抑制することができた。また2.2ミクロンのKバンドにおいても明るい天体に対しては観測が有効に行われ得ることを示した。またシュミット望遠鏡の補正板の透過率や色収差についても理論から予測される値を実験によって確認した。 以上の実験成果を踏まえて、近傍銀河の撮像観測を行った。高い測光精度を達成するための観測方法を確立し、その結果、背景雑音の0.28パーセントの天体の検出に成功した。これは世界最高の性能である。 またデータ解析システムの開発も行った。特に高い撮像画像を得るためにノイズの除去、画像の重ね合わせなどの技術を開発した。現在データ解析を観測したすべての銀河について行っている段階である。
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Research Products
(1 results)