1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03640288
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
榊原 俊郎 北海道大学, 理学部, 助教授 (70162287)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
綱塚 浩 北海道大学, 理学部, 助手 (40212576)
|
Keywords | CeRu_2Si_2 / ヘビ-フェルミオン / メタ磁性転移 / 等体積希釈効果 / スピン間相互作用 / 近藤効果 / f電子比熱 / 強磁場磁化 |
Research Abstract |
メタ磁性を示す常磁性金属(強磁性寸前のdーバンドメタルや近藤格子ヘビ-フェルミオン系)に最近興味が持たれている。本研究では代表的ヘビ-フェルミオン物質であるCeRu_2Si_2に注目し、そのメタ磁性の機構を探るための実験を行なった。 CeRu_2Si_2のメタ磁性は圧力効果などから転移磁場B^*が近藤温度T_Kでよくスケ-ルされると考えられているが、サイト間のスピン相関やcoherencyがどの程度効いているかは明かでない。サイト間相関の影響を調べるには希釈法を調べるのが一つの方法だが、CeRu_2Si_2の場合、例えばLaで希釈すると体積膨張のためにT_Kが下がる効果が大きく、希釈効果そのものはよく解からない。そこで我々はLa置換とY置換とで格子定数がほぼ逆の変化をする点に着目し、LaとYを適当な割合(約6対4)で同時にCeと置換することにより、T_Kがほぼ一定の擬三元系単結晶Ce_<1ーX>(La_<0.6>Y_<0.4>)_XRu_2Si_2をトリア-ク炉により作成し、実験を行なった。 X線回析では格子定数の有意な変化は見られなかった。比熱測定の結果、低温におけるC/TはCeあたりに規格化するとほぼ同じ曲線に乗り、予想どおり特性温度はほとんど変化しない結果を得た。CeRu_2Si_2はB^*=7.8Tに転移磁場を持つが、8Tまでの磁化測定の結果、希釈しても転移磁場が殆どシフトしないことがわかった。従ってB^*∝γ^<-1>が希釈系でもよく成立していることになる。この結果はスピン間相互作用を単に分子場で取り入れたモデルでは理解しにくい。一方転移の幅は急速にブロ-ドになり、20%希釈で転移はほぼ消えている。またCeRu_2Si_2はcー軸磁化率χ_cに特徴的なピ-クを約10Kに持つが、実験の結果、この構造もわずかな希釈によって急速に壊されることが示された。すなわちこれらの現象はCeサイトの周期性の破壊に極めて敏感であることが示唆される。以上、この物質におけるメタ磁性転移の機構を確立する上で極めて重要な情報が得られた。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] D.Sugimoto,H.Amitsuka,T.Sakakibara: "Constant Volume Dilution Effect in CeRu_2Si_2" J.Phys.Soc.Jpn.(1992)
-
[Publications] T.Sakakibara,C.Sekine,H.Amitsuka,Y.Miyako: "Coexistene of antiferromagnetism and metamagnetism in Ce(Ru_<1ーX>Rh_x)_2Si_2" J.Magn.Magn.Mater.108. 193-195 (1992)
-
[Publications] T.Sakakibara,H.Mitamura,G.kido,T.Goto: "Metamagnetism and quenching of spin fluctuations in nearly ferromagnetic Laves phase intermetallic compounds" Physica B. (1992)
-
[Publications] T.Sakakibara,H.Amitsuka,T.Goto,K.Sugiyama,Y.Miyako,M.Date: "Metamagnetism and “SDW" state in U(Ru_<1ーX>Rh_X)_2Si_2(0<X<0.1)" PhYsica B. (1992)