1991 Fiscal Year Annual Research Report
超高速ラマン分光法によるシュタルク局在電子の緩和過程の研究
Project/Area Number |
03640300
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
末元 徹 東京大学, 物性研究所, 助教授 (50134052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 耕一郎 東京大学, 物性研究所, 助手 (90212034)
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Keywords | ワニエ・シュタルク / ラマン / 量子井戸 / ポンプ・プロ-ブ / 超高速 / 二重量子井戸 |
Research Abstract |
〈1.試料の設計、製作、評価〉本研究に用いる量子井戸構造には、レ-ザ-発振可能な波長領域にバンド間遷移があること、適当な電場で井戸間のトンネリング確率が大きく変化出来ること、GaAs及びAlGaAs層のラマンスペクトルが分離して観測できること、が要求される。種々の既知のデ-タ及び数値計算からこれらの条件を満たすと考えられる構造を設計し、(a)80Aー46A結合二重井戸と(b)100A結合多重井戸を試作した(三菱重機中央研究所徳田氏との共同研究による)。フオトルミネッセンス(PL)および光伝導の測定から、(a)については、ほぼ、設計どおりの遷移エネルギ-を持つことが分かった。 〈2.光源の開発〉パルス光源として、長波長領域ではモ-ドロックArレ-ザ-励起ピリジン色素レ-ザ-を、作製して用いる予定であったが、安定性、扱い安さ、将来性などを考慮し、新たにTiーサファイアのモ-ドロック化を行うことにした。その結果、7400Aでパルス幅200fsec、平均出力120mwを実現することができた。 〈3.ポンプ・プロ-ブ・ラマン散乱の測定〉ポンプ・プロ-ブ・ラマン散乱の測定法を確立するため、ロ-ダミン色素レ-ザ-(波長約6000Aパルス幅10psec程度)を用いて、バルクのGaAsについて、プラズモン・フォノン結合モ-ドの強度を遅延時間の関数として調べ、パルス幅程度の時間分解能でキヤリア-密度の測定できることが、確認できた。 以上、試料、光源、測定系についてはほぼ予定どおり準備ができた。量子井戸のダイナミックスの測定までは至らなかったが、来年度中には完了したい。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T.Suemoto and H.Arashi: "Practical measurement of diffusion constants in sintered zirconias by using light scattering method." J. Appl. Phys.69. 3016-3021 (1991)
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[Publications] H.Yugami,A.Nakajima,M.Ishigame and T.Suemoto: "Local structures in superionic conductor Y^<3+>ーdoped CeO_2 studied using site selective spectroscopy" Phys. Rev.B44. 4862-4871 (1991)
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[Publications] M. Ishigame,S. Shin and T. Suemoto: "Light scattering in superionic conductors(review)." Solid State Ionics. 47. 1-34 (1991)
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[Publications] H.Yugami,A.koike,M.Ishigame and T.Suemoto: "Relationship between local structures and ionic conductivity in ZrO_2ーY_2O_3 studied by site selective spectroscopy." Phys. Rev.B44. 9214-9222 (1991)
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[Publications] K. Tanaka,T. Okuno,H,Yugami,M.Ishigame,and T.Suemoto: "Persistent spectral hole burning of Pr^<3+> ions in yttria stabilized zirconia:a new holeーburning material." Optics Communications. 86. 45-50 (1991)