1991 Fiscal Year Annual Research Report
ランダム物質中における励起子系の非線形光学現象に関する研究
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03640318
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
相原 正樹 山口大学, 教養部, 教授 (70091163)
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Keywords | ランダム / 不規則 / 励起子 / 非線形光学 / 位相緩和 / フォトン・エコ- |
Research Abstract |
本研究は,ランダム的質中に光によって生成された励起子の緩和現象を,非線形光学現象,特に2連光パルス励起による過渡的パラメトック効果を通して理論的に明らかにしたものである。従来励起子の位想緩和は,励起子格子相互作用,あるいは励起子間相互作用によるとされ,それらの場合は,十分に相互作用が弱けりば緩和はマルコフ的なコヒ-レンスの指数関数的減衰をもたらすとされていた。しかし,2体のグリ-ン関数を拡張されたコヒ-レント・ポテンシャル近似(CPA)により解析した本研究によると,励起子散乱の原因となるポテンシャルの空間的ゆらぎが十分に小さい極限であっても,過渡的光パラメトリック効果の信号光強度の時間特性は非指数関数的である。これは位相緩和が,一般に着目する系(今の場合は励起子)と十分に広いスペクトルを持つ熱浴との相互作用によるとする統計力学のモデルによるよく知られた結果とは異なる特異な現象である。特に,不規則性が弱い系では,非常に遅い信号光の立ち上りを示し,また不規則性が十分に強い系ではフォトン・エコ-的な振舞を示す。一般には,ランダム系の励起子スペクトルの広がりは均一的なものと不均一的なものとが不可分に共存する興味深い様相を呈し,最近,北海道大学の南グル-プの実験でそれと思われるデ-タが得られている。また,ウィスコンシン大学のヒュ-バ-らによる数値シミュレ-ションで,本研究結果をサポ-トする研究発表が行なわれている。また本研究を行なうに当って,パ-ソナルコンピュ-タ-・マッキントッシュIIに増設したアクセラレ-タ・ボ-ドにより約3倍のパフォ-マンスを上げる事が出来た。
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Research Products
(1 results)