1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03640324
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大井 喜久夫 早稲田大学, 理工学部, 教授 (50063582)
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Keywords | ユ-ロピウムの蛍光 / 強誘電性相転移 / 六方チタン酸バリウム / 結晶場の対称性 / 227型層状ペロブスカイト強誘電体 |
Research Abstract |
Eu^<3+>を導入したKTaO_3及び六方晶BatiO_3単結晶を育成しX線回析により,結晶軸をきめ,光学研磨を行った. 六方晶BaTiO_3について導入したEu_<3+>のルミネセンスのスペクトルの測定を10Kから室温まで行った.特に,強誘電性転移温度である74K以下の温度でくわしく調べた.その結果,2種類のBaサイトのうち,1方のサイトに入ったEu^<3+>の ^5D_0ー ^7F_2遷移のルミネセンススペクトルの強度が強誘電体の自発分極の温度変化と良く対応しており,他方のサイトのスペクトル強度は222K以下の中間相で生じ,74K以下ではこの変化が少ないことがあきらかになった.この結果はEu^<3+>の置換するBaサイトが一方は中間相以下で対称中心を失い,他方のサイトは74K以下の強誘電相で自発分極の大きさに対応して対称中心を失っていくことを示すものである.更に,窒素レ-ザ-励起の色素レ-ザ-によりサイト選択励起とルミネセンスの寿命の測定を行った.これらの結果はこの春の日本物理学会で発表する予定である. 一方,KTaO_3に導入したEu^<3+>のルミネセンス・スペクトルは、 ^5D_0ー ^7F_1の磁気双極子遷移のみが生じ、Eu^<3+>が対称中心のあるBaサイトに入っていることがあきらかとなった. A_2B_2O_7型層状ペロブスカイト強誘電体の中で最も対称性が高くキュ-リ-温度の低いSr_2Ta_2O_7について,強誘電相の代表的性質の一つである誘電分散の測定を行い,新しい型の低周波誘電分散を見つけ,論文にまとめた.
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Research Products
(1 results)