1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03640332
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山田 耕作 京都大学, 理学部, 助教授 (90013515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 正明 新居浜高専, 機械工学科, 助教授 (10025380)
大見 哲巨 京都大学, 理学部, 助教授 (70025435)
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Keywords | 酸化物高温超伝導体 / フェルミ液体 / 核磁気共鳴 / スピン・格子緩和時間 / ナイト・シフト / 重い電子 / 有機導体 / 電子対 |
Research Abstract |
1.高温超伝導体の超伝導 高温超伝導体の引力の起源を探る上で、電子対の対称性を決定することが重要である。もし、単純なS波でなければ通常の電子・格子相互作用ではなく、磁気的な相互作用など電子相関にその起源を求めなければならない。その点から、高温超伝導体の核磁気共鳴のスピン・格子緩和時間T_1やナイトシフトの理論を発展させた。その結果,実験結果を説明するためにはS波よりもd波の方が自然に説明できることがわかった。計画した電子状態の計算が早期に達成されたことが、以上の計算や次に述べるZnが不純物として入った系の計算に役立った。特に銅のd電子間のク-ロン相互作用による大きな準粒子の減衰率の温度変化が重要な役割を果すことがわかった。Znを入れた系のT_1やナイトシフトもd波が好しいことを示している。以上の結果から、d波を導く引力を検討し、それを含めて系の物理的振舞を説明する研究へと進めたい。 2.重い電子系の超伝導 引力の起源として、電子・格子相互作用の可能性を検討した。熱膨張係数や超音波吸収の理論を発展させ、実験と比較している。その結果、単に比熱係数が大きいことで説明できる事実もあるが、電気抵抗のT^2項の係数の圧力変化など電子・格子相互作用が強いことを示す実験事実もあることがわかった。それ故、さらに精密化した議論を発展させる必要がある。重い電子系の異常ホ-ル効果の理論を一般化し、提温での実験とよく一致することがわかった。 3.有機導体の研究 有機導体DCNQIーCu系で重い電子が発見され、圧力をかけると金属絶縁体転移が起こる。理論的に調べた結果、Cuイオンのヤ-ン・テラ-効果と重い電子の大きな比熱係数が重要な役割を果すことが示された。
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[Publications] Satoshi Fujimoto: "Temperature Dependence of Electrical Resistivity in TwoーDimensional Fermi Systems" Journal of The Physical Society of Japan. 60. 2724-2728 (1991)
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[Publications] 山田 耕作: "銅酸化物高温超伝導体のフェルミ液体論" 固体物理. 26. 669-675 (1991)
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[Publications] Satoshi Fujimoto: "ManyーBody Effects on Nuclear Relaxation Rates in Superconducting States of Copper Oxides" Journal of The Physical Society of Japan. 61. (1992)
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[Publications] Kosaku Yamada: "Fermi Liquid Theory on Heary Electron Systems" Progress of Theoretical Physics. Sup.108. (1992)
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[Publications] Kosaku Yamada: "Magnetic Ordering with Small Momeuts" Progress of Theoretical Physics. Sup.106. 129-135 (1991)
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[Publications] Ryusuke Ikeda: "Massless Mode in Abrikosov Flux Lattice II" Journal of The Physical Society of Japan. 61. 254-274 (1992)