1991 Fiscal Year Annual Research Report
Quantum Cluster Decimation法による量子系・相転移の研究
Project/Area Number |
03640342
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
松原 武生 岡山理科大学, 理学部, 教授 (60025202)
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Keywords | 量子系相転移 / クラスタ-近似 / くりこみ理論 |
Research Abstract |
1.本研究計画の出発点となった論文「Quantum Cluster Decimation」はJ.Phys.Aに出版され、既に少からぬ反応があったが、種々の問題への応用の可能性が指摘された。 2.しかし量子系の相転移に適用して成功をおさめるためには、協力現象のクラスタ-近似のような方法と併用することが不可欠であるから、そのための定式化を開始した。まず明確な結論が導けるように、1次元系に限り、量子効果を省いた厳密な結論に後から量子効果を入れてゆく方法をとった。その結果単純化したベ-テ・近似と本研究の方法とが密接な関係にあることが明らかになり、既に厳密解が得られている1次元量子系に本研究法を適用することにより、近似の度合が定量的に測れることがわかった。この線に沿った研究が現在進行中で3月の物理学会年会でその成果が発表される。 3.「QCD」が近似なしに適用できる具体例としてKDP型水素結合強誘電体の相転移が考えられる。既に必要な定式化を完了し、新しい理論によるKDP相転移の様子を旧理論の結果と比較しながら議論することを準備している。 4.新しい応用例として、サッカ-ボ-ル分子の格子振動や電子状態の研究を取り上げ、「QCD」を応用してより単純で対称性の高い小さい分子の問題に帰着させることを企画している。
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