1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03640343
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY OF SCIENCE |
Principal Investigator |
藤井 佳子 岡山理科大学, 理学部, 助教授 (20159122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
信貴 豊一郎 岡山理科大学, 理学部, 教授 (80046747)
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Keywords | 液体ヘリウム3 / 比熱 / 壁の効果 / フェルミ温度 / パラマグノン |
Research Abstract |
超微細な空間に液体ヘリウム3を閉じ込めるとき、サイズ効果、壁の効果、殻効果等が現われることが期待される。我々は、銀箔中に約100Aの直径のヘリウム3のバブルを作り、この比熱を測定したところ、壁から第2層目にある液体ヘリウム3は、15mkまで古典ガスのごとく振舞い、そのフェルミ縮退温度はバルクな液体ヘリウム3に比べ非常に下っていることを見い出した。これは第2層目にあるヘリウム3が強いパラマグノン効果をもつためと考えられる。一方、固体ヘリウム4中に分散した液体ヘリウム3バブルの比熱は、バルクな液体ヘリウム3と似た振舞いを示した。壁が密度の高い銀であるか、密度の低い固体ヘリウム4であるかによって、壁より第1原子層目にファン・デル・ワールスカにより吸着している固体ヘリウム3の様子が異なるため、第2原子層目の液体ヘリウム3の振舞いが異なるものと考えられる。この壁より第2原子層目にあるヘリウム3の振舞いを更に詳しく調べるため、約100Aの白金微粒子を銀の容器に焼結し、第2原子層目のヘリウム3の割合をできるだけ大きくした測定セルを作った。微粒子を焼結しても、焼結条件が悪いと焼結後の表面積は減少してしまうので、最良の焼結条件を見つけるのに試行錯誤した。ザブミリケルビンの超低温まで比熱および磁化率の測定を行うため、超高純度銅を使った核断熱消磁冷凍機を製作した。これらの準備が整ったので、今後もこの研究を続けていく。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] R.Schrenk: "Heat Capacity and Pressure at Phase Separation and Solidification of ^3He in HCP ^4He" Journal of Low Temperature Physics. 84. 133-156 (1991)
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[Publications] T.Shigematsu: "Investigation of Annealing Effects of Ultra Pure Copper" Cryogenics. 32. 913-915 (1992)