1991 Fiscal Year Annual Research Report
ペロブスカイト相の電気伝導度とマントル熱境界層の起源
Project/Area Number |
03640360
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
栗田 敬 筑波大学, 地球科学系, 助教授 (00111451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 敏嗣 東京大学, 地震研究所, 教授 (00092320)
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Keywords | 電気伝導度 / マントル / 超高圧 / 熱境界層 / シリケイト・ペロフスカイト / 相変化 / 対流 |
Research Abstract |
地球のマントルでは鉱物は圧力に応じて相変化をおこし結晶構造を変える。この相変化は地震波速度の不連続面として観測される。その最大のものは上・下マントル境界の650kmに存在するものでありスピネル型構造のオリビンガペロフスカイト型構造MgSiO_3とMgOに分解するものであると言われている。本研究ではこの相方化・分解反応時の構成鉱物の電気伝導度のふるまいを明らかにし上下マントル境界部の電気伝導度の増加が熱境界層によるものか,相変化によるものが明らかにすることを目ざした。研究は超高圧力実験による電気伝導度測定と流体実験による対流系における熱境界層の解明という2つのアプロ-チを取った。超高圧実験では超高圧・高温下での電気伝導度の計測法の開発をおこなった。従来シリケイトという極めて伝導度の低い物質の高温高圧下での電気伝導度の計測は絶縁材料として適当なものがないという制限により大変に困難であったが合成単結視ダイヤモンドプレ-トが入手できるようになり大きく改善された。MAー8型システムにくみこみ,試料をはさみ込むことにより電気伝導度の計測が可能になった。単年度という時間的制約のためにベロフスカイト相の計測は未完であり現在進行中であるがダイヤモンド単結晶を絶縁材に使用した本計測システムは初めての試みでありそれが順調に進んでいる事は他の系での応用へも道を開く大きな成果である。流体実験では2層対流系を使いマントルの条件をシミュレ-トし,熱境界層の大きさ(温度差と境界層の厚)がどのような物性量によって決まるものなのかを研究した。上下層の粘性の比によりスケ-リングされることが明らかにされマントルの熱境界層の大きさから粘性比がわかる可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 栗田 敬: "地球の電気伝導度構造" 地震. 44. 201-216 (1991)
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[Publications] Leinenweber,Utsumi,Tsuchida,Yagi,Kurita: "Unquenchakle High Pressure Pevovskite polymorphs" Phys.Chem.Mineral. 18. 244-250 (1991)
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[Publications] Yasuda,Fujii,Kurita: "A fate of subducted oceanic crust" Phys.Earth.Planet Int.