1991 Fiscal Year Annual Research Report
北西太平洋地域における大地震の移動および発生サイクルと応力伝播に関する研究
Project/Area Number |
03640366
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三雲 健 京都大学, 防災研究所, 教授 (80027218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 有三 気象庁, 気象研究所, 主任研究官
平原 和朗 京都大学, 防災研究所, 助教授 (40165197)
尾池 和夫 京都大学, 理学部, 教授 (40027248)
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Keywords | 北西太平洋地域 / 日本列島 / 日本海 / 深発地震 / 太平洋プレ-ト / 地震移動現象 / 応力伝播 / 断層破壊 |
Research Abstract |
1.この研究では、北西太平洋地域のうち、日本海溝日本列島周辺 日本海 中国北部に発生した過去100年間のM【greater than or similar】5.5の浅発・中深発・深発大地震の発生位置,深さ,時系列などを系統的に解析して,これら地震の移動現象の存在を明らかにするとともに,リソスフェア,アスセノスフエアおよび沈み込むプレ-トより成る造構的モデルにもとづいて移動現象の物理的メカニズムの考察を行った。主な結 2.(1)日本海溝に発生したM【greater than or similar】7.5の大地震後、地震活動は日本列島及び日本海下に沈み込む太平洋プレ-トの上面に沿って下方へ移動し、最深部の約600kmに達する。1896年以後このような5回サイクルが認められ、1サイクルに22年〜27年を要し、この約10年後に中国北部に浅発大地震が起ることが確かめられた。(2)線形粘弾性的リソスフェア及びクリ-プ則に従う非線形群塑性型アスセノスフエアの構造に温度・圧力の深さ分布を考慮し、3次元有限要素法による計算を行った結果、プレ-トの進行に伴う応力は最初40kmの深さの固結部分を破壊し、次にでこれによる弾性的応力変化とクリ-プ歪の緩和が300〜500kmの深さまで伝播して、こゝで応力降下量の大きい深発地震を発生させるこ (3)また沈み込むプレ-トの上面の海洋性地穀内で剪断破型深発地震が発生した場合、応力変化は断層周辺では比較的大きいのに反し、上部マントルから地穀部分へは伝播しにくく,この直上の地域で起る浅発大地震の発生を説明することは難しいことが分った。(4)大陸性地穀内で発生する大地震の断層動的破壊過程と地震後の応力回復過程を,地穀応力,断層強度,辷り摩擦応力の深さ分布を含む3次元モデルによって数値計算を行った。この結果,大地震の破壊核は完全脆性領域と半脆性領域の境界付近に形成されやすいこと,断層破壊の下限と断層辷り量は地穀内の温度分布に影響されることが解明された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] LOO,H.Y.et al.: "Earthquake Cycles along the Japan Trench,and Their Migrations along the Subducted Slab" Journal of Physics of the Earth. (1992)
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[Publications] LOO,H.Y.et al.: "ThreeーDimensional Numerical Modeling of Earthquake Migration along a Northwestern Pacific Subduction Slab" Geophysical Research Letters. 19. (1992)
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[Publications] Yoshioka,S.et al.: "A Model of PostーSeismic Recovery induced from a DeepーFocus Earthquake" Physics of the Earth & Plantary Sciences. (1992)
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[Publications] MIKUMO,T.: "Dynamic Fault Rupture and Stress Recovery Processes in Contintal Crust under DepthーDependent Shear Strength and Frictional Parameters" Tectonophysics. (1992)