1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03640391
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
中川 義次 東京大学, 理学部, 助手 (30172282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関谷 実 帝京大学, 理工学部, 講師 (60202420)
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Keywords | 太陽系起源 / 原始太陽系星雲 / 太陽系星雲 / 原始惑星系円盤 / ダスト / ダスト吸収係数 / Tタウリ型星 |
Research Abstract |
研究計画に従い、本年は次の2つの研究(1),(2)を行ない、それぞれの研究成果を論文にまとめ、米国の雑誌に投稿した。以下それらの研究を要約する。 (1)太陽系星雲の形成過程とその初期進化についての研究: 形成期の太陽系星雲の乱流粘性による進化およびその重力安定性を研究した。星雲形成過程を特徴づける主要な物理量は、母体となった分子雲コアの角速度ωである。また星雲の進化を特徴づける主要な物理量は、乱流の強さを表わすパラメータαである。本研究では、ωの値の範囲を観測から見積られている値のまわりに(0.4-6)×10^<-14>S^<-1>と取り、一方αの値は広く10^<-5>-10^<-1>の範囲にとって、多数の例について太陽系星雲の形成進化過程についての数値シミレーションを行なった。ただし、星雲の鉛直方向の構造については、近似的な一層モデルを採用した。数値シミレーションにより得られた星雲の温度分布は、中心星からの距離の0.6乗に比例するものとなり、最近の観測で得られている原始惑星系円盤の典形的な温度分布とよく一致するものとなった。また星雲の重力安定性に関しては、αの値が通常考えられている範囲であれば、星雲へのガスの降り積もりがまだ続いている時期に、星雲は重力不安定に陥ることがわかった。そして不安定の最初に生じる場所が、ほぼ現在の太陽系に外縁にあたっていることは、大変興味深い。 (2)太陽系星雲中でのダストの輻射吸収係数についての研究: ミリ波・サブミリ波による原始惑星系円盤の観測により、Tタウリ型星の周りの円盤中のダストの吸収係数の周波数特性が一般の星間ダストと異なっていることが最近明らかになって来た。本研究では、その違いが、円盤中でのダストの付着成長により、単純かつ合理的に解釈できことを示した。
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[Publications] Y.Nakagawa: "Wave action conservation,over-reflection and over-transmission of nonaxisymmetric waves in differermtially rotating thin discs with self-grovity" Mon.Not.Roy.Astron.Soc. 256. 685-694 (1992)
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[Publications] T.Nakamoto: "For mation,Early Evolution,and Gravitational Stability of Protoplanetary Disks" Astrophysical Journal. (1993)
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[Publications] K.Miyake: "Effects of particle growth on opacity curved of protoplanetary disks around T Tauri stars" Icarus. (1993)
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[Publications] T,Nakamoto: "Gravitational stabibity of the Solar Nebula" Proc:24th ISAS Lunar & Planetary Symp.86-91 (1991)
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[Publications] M.Sekiya: "Shear Lnstability in the Solar Nebula" Proc:24th ISAS Lunar & Planetary Symp.92-95 (1991)