1992 Fiscal Year Annual Research Report
化合物単結晶基盤上の薄膜作製と発光材料としての機能開発の研究
Project/Area Number |
03640400
|
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
田中 勝己 電気通信大学, 電気通信学部・電子工学科, 助教授 (30155121)
|
Keywords | 光CVD / シンチレーター結晶 / 発光材料 / レーザーアブレーション / TOF法 |
Research Abstract |
シンチレーターとして使用されるCdWO_4単結晶は,紫外領域に吸収をもちYAGレーザーの第4高調波(266mm)により,へき開面(010)面はアブレーション(溶発)を起こすことを見い出した。光CVDの立場から他の基板上に溶発した種を真空蒸着させ,その光材料開発の可能性が示唆された。溶発現象にはレーザー出力依存性があり,溶発を生じない出力で光CVDによるSi折出を生ずる有機Si化合物の探索を行っている。短波長光源としてD_2ランプも使用し始めた。レーザーとCdWO_4(010)面との相互作用により表面にFringe構造が特定の方位に発生することを見い出しSEMによる解析を行っている。溶発の初期では,CdWO_4単結晶の特定の方位にそって粒子の凝集が起こり,Cd,W元素の表面分布に不均一性のあることをEPMAにより結論した。質量分析計による解析からCdWO_4の溶発ではCdとO_2が少なくとも脱離していることが判明し,現在時間分解法で飛行粒子のエネルギー解析を行っている。CdWO_4に熱CVDでSiを析出させた試料をSIMSで解析し,Si/CdWO_4の成膜組成のたて方向の解析にはSi^+,Cd^+,WO^+が適当と考えられた。CdWO_4に一次イオンとしてO_2^+粒子を当てると青色の光を発しetchingされる。高加速電圧の電子線によってもetchingされる。青色の発光中心に興味がもたれるが,真空中で熱アニールしたCdWO_4,Si/CdWO_4,溶発したCdWO_4各々の価電子帯の情報をUPSにより検討している。次に時間分解質量分析システムによりゼオライトにMo(CO)_6を吸着させた系のレーザーCVD実験を行なった。パルスレーザー照射によりMo(CO)_6からCOが脱離し,その飛行時間解析から2種以上の脱離COが識別され,ゼオライトの細孔構造に基づく吸着位置の異なったMo(CO)_6の分解と結論した。脱離COのレーザー出力依存性から532mmでのCVDは熱プロセスが主で,残ったMo(CO)_x種の赤外吸収から非平衡プロセスが支配していると推察された。
|