1991 Fiscal Year Annual Research Report
励起酸素または窒素からのエネルギ-移動反応およびそのケミカルレ-ザ-への応用
Project/Area Number |
03640401
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
藤井 信行 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (50011119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 高臣 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (90225516)
野坂 芳雄 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (30134969)
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Keywords | 励起酸素 / 励起窒素 / エネルギ-移動 / 化学発光 / ハロゲン化銅 |
Research Abstract |
本研究では、電子励起酸素あるいは窒素分子からの金属ハロゲン化物へのエネルギ-移動反応を検討し、さらに、新しい可視光化学レ-ザ-発振の可能性を探索することを目的とする。 電子励起一重項酸素分子の生成法としては、1)塩素ガスをアルカリ性過酸化水素水中に通じる化学的方法、2)酸素中のマイクロ波放電流通法を用い、これを高速流通装置に接続し、各種ハロゲン化銅蒸気その他の化学種を混合反応させ、可視発光スペクトルを分光器と光電子増倍管またはマルチチャンネルアナライザ-(SMA)を用い、赤外発光スペクトルをを分光器と赤外線検出器を用いて測定した。一方、電子励起窒素分子の生成は窒素中のマイクロ波放電流通法を用いた。 化学法による一重項酸素流れ中にハロゲン化銅蒸気を混合すると、微量の未反応塩素が寄与して、塩化第二銅による強い赤色発光が観測された。この発光は一重項酸素からの多段階励起によることが明らかになった。しかし、未反応塩素量をコントロ-ルすることができず、その寄与を明確にすることができなかった。マイクロ波法による一重項酸素中にハロゲン化銅蒸気を混合すると、ハロゲン化第一銅に帰属できる青色発光が観測できる。この系で蒸気混合部上流から塩素を徐々に加えると、塩化第一銅による青色発光が観測され更に塩素を加えると塩化第二銅による赤色発光に加わることが観察された。一方、励起窒素流れ中にハロゲン化銅蒸気を混合すると、ハロゲン化第一銅による、酸素の場合とは異なる青色発光が観測された。この系に塩素を加えると塩化第一銅による青色発光が観測されたが、塩素を更に加えても塩化第二銅による赤色発光を観測することはできなかった。現在この機構の検討を行っている。他に、すず化合物についても興味ある結果が得られつつある。今後、発光寿命測定などによりケミカルレ-ザ-への検討も行う予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Fujii,Nobuyuki: "A red emission in chemically produced excited oxygen flow.I.Attribution of the emission spectrum to CuCl_2." J.physical Chemistry.
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[Publications] 小林 高臣,藤井 信行: "マイクロは放電流れ中の酸化窒素の分解により生成する窒素のCARSと紫外可視領域の発光の観察" 長岡技術科学大学研究報告. 13. 55-60 (1991)