1992 Fiscal Year Annual Research Report
NMR分光法による水和水のスピン-格子緩和時間に及ぼす温度・圧力効果
Project/Area Number |
03640416
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Research Institution | RITSUMEIKAN University |
Principal Investigator |
谷口 吉弘 立命館大学, 理工学部, 教授 (70066702)
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Keywords | NMR / 水和水 / スピン-格子緩和時間 / 温度効果 / 圧力効果 |
Research Abstract |
高圧下における電解質水溶液のスピン-格子緩和時間測定のための高圧NMRセルについて、各種材料(ジルコニア,ガラス,ポリマー)関して耐圧テストを行った。その結果,その耐圧性は,ガラス,ポリマー,ジルコニアの順に高く,200気,500気圧,700気圧の最大耐圧度を得た。この場合、NMR試料管の内径と外径比は大きいものほど耐圧性能は向上したが,NMR測定の感度は低下した。また,耐圧容器として用いた材料や,加工過程の違いにより耐圧性は異なり,実験に必要な千気圧の圧力を常に達成することは,本実験系では満足する結果は得られなかった。この為,当初の目的の千気より低い圧力で耐圧性のポリマーセルを用いて,水のスピン-格子緩和時間を測定500気圧まで実験した。ポリマー性の耐圧セルを用いた場合,その熱伝導性が悪いため,室温(〜20℃)付近で十分に熱平衡に保った状態で実験を行った。純水の水の力核のスピン-格子緩和時間は圧力の増加と伴に減少した。即ち,水の回転運動のダイナミックスは圧力の増加に伴ってゆっくりと運動することが明らかになった。しかしながら本研究で開発した耐圧性のポリマーセルを用いての電解質水溶液(〜0.1mol/kg以下)の水和水のスピン-格子緩和時間の測定を行ったところ,500気圧までの圧力下でのスピン-格子緩和時間には大きな変化は観察されなかった。この原因としては,低濃度の電解質中のイオンの水和水のスピン-格子緩和時間を測定するために十分なNMR感度が得られなかったのが主要因であると考えられる。
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