1991 Fiscal Year Annual Research Report
表面上の反応場の傾きと生成分子脱離の空間分布との相関について
Project/Area Number |
03640419
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松島 龍夫 北海道大学, 触媒化学研究センター, 助教授 (30002116)
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Keywords | 脱離分子の空間分布 / 一酸化炭素の酸化 / CO_2の脱離 / 反応場の傾き / 脱離分子の並進速度 |
Research Abstract |
本研究は種々のテラス幅を持つ白金族金属単結晶表面(バルク表面に対して傾きを持つテラスがある)上で生成脱離するCO2分子の空間分布・速度分布から反応場の特定と傾きを検討することが目的である。本年度は当初予定したPt(311)、(211)の結晶到着が遅れたため、Pt(110)(1x2)、Ir(110)(1x2)(何れもバルク表面に対して約30度の傾きを持ち3原子幅のテラスから構成される)上での測定を先行させ下記の結果を得た。 1.Pt(110)(1x2);角度分解能1.1度を持ち新しい角度分布・速度分布測定装置を用いCO酸化で生成脱離するCO2分子の分布を調べた。CO2の脱離は表面垂直より23ー25度ずれた2方向に鋭く指向した。速度は表面温度から予測されるより遥かに大きく、並進温度は約1500kであり、フラックスの指向方向で最大値を示した。こうしてCO2分子は傾いたテラス上の反応場に垂直方向に反発されて脱離していることが明らかになった。 2.Ir(110)(1x2);生成脱離するCO2分子の空間分布を表面全方位にわたり測定し、分布の三次元表示に成功した。これにより角度分布はテラスに沿ってはバルクの(111)構造と同様に振舞い、直角方向には鋭い分布を示したことは明示され、幅の狭いテラス上にある反応場の異方性を捕らえることに成功した。 3.上記の空間分布の解析の基礎としてCOと酸素の共吸着属の構造解析が不可欠である。Pd(100)表面を共吸着属構造の定量的表現である反応図(reaction diagram)の解析法を確立した。吸着酸素の位置が上記の解析では重要な情報となる。NEAXFS(X線吸収端微細構造分光)を用い、Pt(110)(Ix2)上の酸素分子の向き、位置を検討した。
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[Publications] Tatsuo Matsushima: "Velocity distributions of desorbing products in the oxidation of carbon monoxide on palladium(110)surfaces." Chemical Physico Letters. 187. 277-280 (1991)
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[Publications] Tatsuo Matsushima: "Velocity distribution of desorbing products in carbon monoxide oxidation on palladium(110)" Journal of Molecular Catalysis. (1992)
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[Publications] Yuichi Ohno: "Reaction Diagram of carbon monoxide and oxygen on palladium(110)and angular distribution of reactire carbon dioxide desorption" Surface Scionce. (1992)