1991 Fiscal Year Annual Research Report
大気環境会合分子(C10)nのFTマイクロ波分光による分子定数の決定
Project/Area Number |
03640431
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
恩田 正雄 上智大学, 理工学部, 講師 (30053672)
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Keywords | FTマイクロ波分光 / 大気環境会合分子 / 核四極子結合定数 / 光化学反応 / 放電化学反応 / 熱分解反応 |
Research Abstract |
我々の製作したパルスノズル型フ-リエ変換マイクロ波分光器(1988ー89年度科研費)は、所期の分解能および周波数精度を示した。(1991年度分子構造総合討論会3bp54にて報告)しかしながら感度は期待していた程向上せず、その原因はキャビティリンギングによるバックグランドがガスパルスのonーoffにより完全に除去できていないためであった。本年度製作した同期式パルスコントロ-ラは特にこの点を考慮し基本周波数を10MHzに設定し時間軸の精度を高め、ノイズを約1/50に低減した。OCSの各種同位体の観測により所期の感度を確認すると共に、各種濃度のAr…OCSの観測により分子流の回転温度が数Kになること推定した。 本研究の目的の一つである本器を気相反応中間体を含む会合分子の測定装置として完成させる為に、不安定分子種生成用の各種ノズルを試作した。光化学反応用のNd:YAGレ-ザ-と分光器との光路は鋼とアルミ材により製作し、分子流下流よりノズル先端に向けて532nm光を照射するための部品は製作中である。放電ノズルとしては東大教養型の試作1号器のテストを行い、現在2段階噴射を取り入れた2号器を製作している。また熱分解ノズル(〜1000℃)をも10種類程試作した。以上のノズルのテストおよび分光器と接続を予定している質量分析計の開発の為に真空容器(600φ×600mm)を製作した。本容器は将来分光器本体と接続し、ノズル周辺での化学反応生成物をモニタ-しかつ排気速度の向上を目指すものである。なお製作したコントロ-ラは8個の出力をもち各種タイミング(Qースイッチレ-ザ-、パルスノズル分子ビ-ム、マイクロ波パルス)の調節が可能であり、目的種の生成条件の検討を容易にするものである。本研究の目的はC1_nO_m(n、m=1,2,3…)の検出および分子定数の決定であるが、現在フロン等の光反応生成種の条微細構造の測定を行っており、目的の塩素〜酸素化合物の化学は次年度早々に着手する。
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