1992 Fiscal Year Annual Research Report
有機金属試剤のカルボニル化合物への付加反応:反応経路,遷移状態と立体選択性
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03640451
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山高 博 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (60029907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市原 潤子 大阪大学, 産業科学研究所, 教務職員 (60110772)
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Keywords | 一電子移動 / 反応経路 / 反応機構 / クリニャール反応 / ウィティッヒ反応 / 同位体効果 / 置換基効果 / 立体選択性 |
Research Abstract |
芳香族アルデヒドやケトンへの求核付加反応の経路には、直接的な1段階で進む極性機構と、求核試剤から基質への一電子移動を含む多段階電子移動機構の2経路が考えられる。付加反応が果して一電子移動を経由しているか否かを判定する新しい実験的手段として、ハロベンゾフェノンの脱ハロゲン化反応を利用するラジカルアニオンプローブが有用であることを見いだした。すなわち、求核試剤として一電子移動を経由して反応すると考えられるグリニャール試剤、極性機構で反応するアリルスズ試剤、および反応経路の不明なWittig試剤を取り上げ、種々のハロベンゾフェノンとの反応を行った。その結果、グリニャール試剤の反応では、ブロモあるいはヨード置換体で脱ハロゲン化反応が観測されたのに対し、アリルスズ試剤ではその様な反応は観測されず、この新しいプローブが有効であることが確かめられた。次いで、Wittig試剤との反応では、非安定化イリドでは明確な脱ハロゲン化が見られたのに対し、準安定化イリドではラジカルアニオンプローブは陰性を示した。このことは、同じWittig反応でも試剤の電子的性質によって、芳香族カルボニル化合物へ一電子移動を起こすものと起こし得ないものとがあることを示唆している。この結果は、平成3年度に我々が得たWittig反応における置換基効果、同位体効果の結果とよく対応している。以上の結果から、Wittig反応では、非安定化イリドとベンズアルデヒドとの反応は一電子移動を経て進行するのに対し、準安定化イリドとベンズアルデヒドとの反応は極性機構で進むと結論できた。この反応経路の違いが、前者の反応ではシス選択的にアルケンを与えるのに対し、後者ではシス体とトランス体の混合物を与えることの原因であると思われる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.Yamataka: "Comparative Mechanis〓〓〓〓〓〓 on the Reactions of Benzophenone with n-BuMgBr and n-BuLi" Journal of Organic Chemistry. 56. 2573-2575 (1991)
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[Publications] H.Yamataka: "Theoretica Study on the Oxaphosphetane Formation Between Ethylidenetriphenylphosphorane and Acetaldehyde" Heteroatom Chemistry. 2. 465-468 (1991)
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[Publications] H.Yamataka: "A New Ketyl Radical Probe.Dehalogenation of O-Halobenzophenone" Bulletin of the Chemical Society of Japan. 65. 1157-1158 (1992)
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[Publications] H.Yamataka: "Relative Reactivity and Stereoselectivty in the Wittig Reactions of Substituted Benzaldehydes with Benzylidenetriphenylphosphorane" Journal of Organic Chemistry. 57. 2865-2869 (1992)
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[Publications] H.Yamataka: "Diastereoselectivity and Reaction Pathways of the Reactions of Benzaldehyde with Allylic Iodides in the Presence of Sn and Pb" Bulletin of the Chemical Society of Japan. 65. 2145-2150 (1992)
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[Publications] H.Yamataka: "A Ketyl Radical Probe Experiment.The Reactions of o-Halobenzophenones with Various Wittig Reagents" Chemistry Letters. 1531-1534 (1992)