1992 Fiscal Year Annual Research Report
炭素側鎖をもつトロポン類の合成を指向する2-アミノトロポンイミン類の合成と反応
Project/Area Number |
03640458
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
今福 公明 熊本大学, 理学部, 助教授 (20040115)
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Keywords | 七員環共役系化合物 / 炭素側鎖導入 / フリ-デル・クラフツ反応 / トロポロン / 2-アミノトロポンイミン / ジヒドロシクロヘプタ[b]ピラジン / アシル化 / 環開裂 |
Research Abstract |
ベンゼノイド化合物への炭素側鎖の導入法として有用なフリ-デル・クラフツ型反応は、トロポロン類では金属触媒との錯形成のため起こらない。この合成的欠点を解決するため、新しい反応基質としてN,N'-ジアルキルおよびN,N'-ジアリ-ル-2-アミノトロポンイミン類をとりあげ、その合成と反応について検討した。 1. 2・-アミノトロポンイミン類の合成: 前年度においてN,N'-ジアルキル-2-アミノトロポンイミン類は前年度においてシクロヘプタ[b][1,4]ベンゾオキサジンと脂肪族アミン類との反応で得ることができた。しかし、この方法でN,N'-ジアリ-ル-2-アミノトロポンイミン類を得ることはできなかった。そこで、新しい合成法として1,7,7-トリクロロトロピリデンとそれから新しく誘導できた 1,2-ジクロロトロピリウム=テトラフルオロボラ-トをアニリン類と反応させることによりN,N'-ジアリ-ル置換体を合成できた。また、トリクロロトロピリデンの他の求核試薬との反応もあわせて検討した。 2. 2-アミノトロポンイミン類の反応: 前年度でN,N,-ジアルキル-2-アミノトロポンイミン類は塩化アルミニウムとの錯形成によりフリ-デル・クラフツ型反応が起こらないことを見いだした。そこで、錯形成が起こりにくいそれらの環状類縁体である 2,3-ジヒドロ-1H-シクロヘプタ[b]ピラジンのアシル化を行ったところ、アシル化生成物と数種のピラジン環解裂化合物が得られた。そのアシル化生成物はその後^<13>CNMRスペクトルにより窒素原子上でのアシル化生成物であることが明らかになった。なお、現在パラジウム触媒を用いるヘック反応を検討している。
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