1991 Fiscal Year Annual Research Report
超高圧を用いるα,αージ置換グリシンおよびそれらを含むペプチドの合成
Project/Area Number |
03640468
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
山田 隆己 甲南大学, 理学部, 教授 (00068123)
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Keywords | α、αージ置換グリシン / α、αージイソプロピルグリシン / α、αージフェニルグリシン / 超高圧ペプチド合成 / Ugi反応 / イソシアニド / エンケファリン・アナロ-グ / デルモルフィン(1ー4)・アナロ-グ |
Research Abstract |
α、αージ置換グリシンの中でも特に嵩高いα、αージイソブロピルグリシン(Dip)およびα、αージフェニルグリシン(Dph)を含むペプチドを、9千気圧の超高圧下にUgi反応を行なうことにより合成することを検討した。主な成果は次の通りである。1.ジイソプロピルケトンとベンジルアミンより予めシッフ塩基を調製し、これとZーValおよびイソシアノ酢酸メチルを超高圧下で縮合させ、初めてDipを含むトリペプチドの合成に成功した。溶媒や濃度等の条件検討を行ない、最高61%の収率を達成できた。2.上記のシッフ塩基にギ酸とシクロヘキシルイソシアニドを超高圧下で反応させることにより、Dip誘導体を71%の収率で得ることができた。この誘導体を加水分解および加水素分解することにより、Dipを遊離のアミノ酸として得ることにも初めて成功した。これは今までに合成できたアミノ酸の中では最も側鎖が込み合っているものであると考えられ、今後、このアミノ酸の化学に関する研究を展開してゆくつもりである。3.シッフ塩基としてジフェニルメタンイミンを用いて種々のZーアミノ酸およびイソシアニドと超高圧下に反応させ、Dphを中間に含むトリペプチドを好収率で合成することに成功した。この場合、Zーアミノ酸およびイソシアニドが比較的嵩高くない場合は常圧下でもほぼ同程度の収率であり圧力効果は認められなかったが、大変嵩高いα、αージ置換グリシンが連なったトリペプチドの合成の場合はやはり超高圧による加速効果が認められた。たとえば、ZーDph、ジフェニルメタンイミンおよびDphから誘導させたイソシアニドのUgi反応では(Dph)_3誘導体が常圧で10%しか得られなかったが、9千気圧では48%の収率であった。4.前記の方法を応用して、鎮痛活性物質エンケファリンおよびデルモルフィンのDph置換アナロ-グの合成にも成功した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Yamada: "Synthesis of α,α-Diisopropylglycine by the Modified Ugi Reaction at High Pressure" Chemistry Express. 6. 575-578 (1991)
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[Publications] T.Yamada: "Synthesis of Peptides Containing α,α-Diphenylglycine" Peptide chemistry 1991. (1992)
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[Publications] T.Yamada: "Synthesis of Peptides Containig Very Bulky α,α-Disubstituted Glycines" Proceedings of the 4th akabori Conference;German-Japanese Symposium on Peptide Chemistry. (1992)