1991 Fiscal Year Annual Research Report
ヒドロゲナ-ゼ・COデヒドロゲナ-ゼのサイトアナログ合成
Project/Area Number |
03640528
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
山村 剛士 東京理科大学, 理学部, 助教授 (00114702)
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Keywords | ヒドロゲナ-ゼ / 一酸化炭素デヒドロゲナ-ゼ / カリックスアレン / チオ-ル / チオエ-テル / ニッケル錯体 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ヒドロゲナ-ゼ及び一酸化炭素デヒドロゲナ-ゼのニッケルサイトモデルとして、ニッケル-硫黄近傍が嵩高い官能基で覆われた平面4配位NiS_4,型錯体を合成することであり、そのため、カリックスアレンをアンカ-として嵩高チオレ-ト及びチオエ-テルリガンドを合成し、次いで、それらのニッケル錯体を合成することに目指した。この研究の成果と結果、及びそれに基づいた研究展開の現状を以下に述べる。 1)嵩高チオエ-テル部を有するリガンド(A)の合成に成功した。この配位子を用いてニッケル錯体の合成試みたが、安定なニッケル錯体を単離することた出来なかった。これは配位子がニッケルと配位するとき、嵩高官能基同士が互いに立体障害を起こすためと考えられる。 2)嵩高チオアルコ-ルを有する配位子は、これも立体障害のため、立体異性の異なるものの混合物をつくらざるを得なく、しかもこれを分離することが出来なかった。従って、目的錯体の単離にまで到らなかった。 3)以上の結果をもとに、更に新たなカリックスアレン型配位子の合成を目指した。新規のものは、旧型の配位子が、カリックスアレンのキャビティ-の閉じた側のフェノ-ル性水酸基にチオエ-テル部やチオアルコ-ル部をカップルさせるものであったのを改め、キャビティ-の開いた側に導入することにした。これによって錯体がキャビティ-の及摂機能を利用できるものになると共に、嵩高官能基間の立体障害が無くる。このル-トはステップ数が増えるため原料合成に難があったが、初段の原料を100グラム単位で合成する技法を開介することに成功し、現在、8種類にのぼる中間原料を有して配位子合成ル-トの検討を行っている。
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Research Products
(1 results)