1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03640570
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
島崎 研一郎 九州大学, 教養部, 助教授 (00124347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榊 剛 国立環境研究所, 生物圏環境部, 主任研究員 (70124344)
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Keywords | 孔辺細胞 / 気孔 / カルモジュリン / 光情報伝達 |
Research Abstract |
ソラマメ孔辺細胞プロトプラストを用いて、気孔の青色光効果に関与する情報伝達系について調べた。この情報伝達系へのプロテインキナ-ゼの関与を考え、キナ-ゼ阻害剤の青色光に依存するプロトン放出に対する影響を調べた。AーおよびGーキナ-ゼの阻害剤Hー8、多機能性カルモジュリン(CaM)キナ-ゼIIの阻害剤KNー62はほとんど作用しなかった。Cーキナ-ゼの阻害剤Hー7やカルフォスチンCはわずかに阻害効果を示した。一方、CaM依存性のミオシン軽鎖キナ-ゼ(MLCK)の阻害剤MLー7とMLー9は強い阻害効果を示した。MLCKはCaM依存であるので、次にCaM拮抗剤の効果を調べた。CaM拮抗剤、Wー7,TFP,HTー74など用いたすべての薬物が強い阻害効果を示した。さらに、光による孔開孔に対する薬物の効果をマルバツユクサの表皮を用いて調べた。Hー7はほとんど効果を示さなかったが、Wー7やMLー9は、気孔開孔を強く阻害した。以上の結果は青色光による気孔開孔に、Ca^<2+>/CaM依存のMLCKが関与していることを示している。 CaMが活性化されるためには、細胞質のCa^<2+>濃度が上昇する必要がある。そのためには、細胞外から流入、細胞内貯蔵部位からの放出が考えられる。そこで、Ca^<2+>チャネルブロッカ-、ベラパミルを添加すると、青色光に依存するプロトン放出が阻害された。一方、イノシト-ルリン酸代謝系の阻害剤LiClを添加すると、プロトン放出の速度が小さくなったが放出量は大きくなった。これらの結果は、孔辺細胞細胞質のCa^<2+>の濃度増加に、細胞内、外からのCa^<2+>放出、流入の2つの可能性があること(両方も)を示唆する。
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