1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03640573
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
下田 親 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (80047290)
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Keywords | 分裂酵母 / 細胞周期 / RNAヘリカ-ゼ / 転写後調節 / 減数分裂 / PCR法 / 有性生殖 |
Research Abstract |
分裂酵母の有性生殖開始を制御するste13遺伝子について以下の研究成果を挙げた。番号は交付申請書の計画に対応する。 1.ゲノムサザン分析:クロ-ン化したste13遺伝子をプロ-ブにしてゲノムサザン分析を行なった。いくつかの制限酵素断片について調べたが、いずれも単一バンドを示した。このことから、ste13遺伝子は単一コピ-でゲノム上に存在することが明らかになった。 2.ノザン分析:ste13のmRNAレベルを調べたところ、有性生殖が誘導される窒素飢餓条件で転写量が数倍上昇することが判明した。また、有性生殖に関与する遺伝子の転写因子と考えられるste11遺伝子欠損変異によっては影響を受けなかった。 3.遺伝子破壊実験:ste13のタンパクコ-ド領域を完全に欠失させた遺伝子をin vitroで作成したのち、染色体上に導入しste13欠失変異を作成した。この変異株は栄養培地の生長はほぼ正常であった。しかし、接合や減数分裂などの有性生殖は行えず、また休止期へも入れないという元のste13変異株と同じ形質を示した。 4.ste13変異遺伝子の塩基配列:in vivoで得られたste13ーN50変異アレルを持つDNAをPCR法で増幅し塩基配列を決定した。その結果、N末端から80番目のグルタミンコドン(CAA)がオ-カ-ナンセンスコドン(TAA)に変異していることがわかった。 5.ste13遺伝子の部位特異的突然変異:ste13遺伝子のコ-ドするRNAへリカ-ゼの種々のコンセンサス配列にアミノ酸置換を入れるよう変異させることを試みた。これまでに4種類の合成オリゴを設計し作成した。現有変異遺伝子を作成中である。
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[Publications] Kitamura,K.and C.Shimoda: "The Schizosaccharomyces pombe mam2 gene encodes a putative pheromone receptor which has a significant homology with the Saccharomyces cerevisiae Ste2 protein" EMBO J.10. 3743-3751 (1991)
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[Publications] Kitamura,K.and C.Shimoda: "The novel gene trs1 encodes an essential protein for the transition from mitotic cell cycle to resting state in Schizosaccharomyces pombe" FEMS Microbiol.Lett.84. 1-6 (1991)
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[Publications] 下田 親: "分裂酵母における体細胞分裂から減数分裂への制御" 実験医学(増刊).