1991 Fiscal Year Annual Research Report
葉緑体DNA rbc L遺伝子塩基配列に基づく種子植物の分子系統学的解析
Project/Area Number |
03640587
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
植田 邦彦 大阪府立大学, 総合科学部, 講師 (60184925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷部 光泰 東京大学, 理学部, 助手 (40237996)
加藤 幹男 大阪府立大学, 総合科学部, 助手 (30204499)
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Keywords | 葉緑体DNA / rbc L / 種子植物 / 分子系統学 / 分子系統樹 / グネツム網 / ソテツ網 / イチョウ網 |
Research Abstract |
本研究の目的は、分子デ-タすなわちDNA塩基配列の情報に基づき種子植物の高次の系統関係を解析することにある。まずこの目的のために従来定説がなく様々な系統樹が提唱されている裸子植物を主要な対象とした。このグル-プでは、針葉樹以外の分子デ-タは公表されておらず、解析が待たれていたもので、今回の研究で全てを明らかにすることが世界で初めて達成された。材料は、Gnetophytaに分類されるもっとも不明な3属、Gnetum、Welwitschia,Ephedraおよびソテツ鋼からZamia、イチョウ鋼からGinkgoを選んだ。これらより全DNAを抽出し、PCR法を用いてrbc L遺伝子を増福した。これをベクタ-に埋め込み大腸菌内で増殖させ、塩基配列決定に用いた。PCR法でのミスを想定し各配列に、3回独立で行い、かつ全てにおいて順配列と逆配列を読み、最終塩基配列とした。更に分子系統樹作成のためにこれまでに公表されたいくつかのデ-タと我々が今回初めて決定したシダ類のOsmundaの配列を合わせて、アウトグル-プとして用いた。この結果から、最犬法と近隣接合法を用いて系統樹を検討し、最も信頼度の高い分子系統樹を確定した。 この結果から1)裸子植物は単系統である、2)全裸子植物に対して被子植物が単系統として結びつくため、被子植物の起源群は石炭紀以前に現生裸子植物の系統群とは分岐していた、3)単なる寄せ集めとすら考えられていた特異な裸子植物群の集合であるグネツム網が単系統であること、など多くの画期的な新事実が分かった。これらの結果は現在2報にまとめてそれぞれ投稿中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hasebe,M.: "rbc L genes indicate monophyly of gymonsperms." Plant Systematics and Evolution.
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[Publications] Hasebe,M.: "Phylogenetic relationships in Gnetophyta deduced from rbc L gene sequences" Bot.Mag.,Tokyo.
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[Publications] Hasebe,M.: "Phylogenetic relationships of ferns deduced from rbc L gene sequences" Journal of Molecular Evolotisn.