1991 Fiscal Year Annual Research Report
細胞性粘菌の予定胞子細胞分化誘導因子の分離精製と作用機構に関する研究
Project/Area Number |
03640590
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
大畠 明子 関西医科大学, 医学部, 助教授 (70077840)
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Keywords | 細胞性粘菌 / 分化誘導因子 / 細胞分化 |
Research Abstract |
Dictyostelium discoideumの予定胞子細胞分化を誘導す因子を培養濾液(conditoved medium,以下CMと略す)から分離精製し,因子の分化誘導機構を明かにするための基礎的な知見を得るために,研究賛交付申請時に提出した研究実施計画に基づいて実験を行い,以下の結果が得られた。 1.因子活性(分化誘導能)定量法の確立 活性の定量はバイオアッセイで行い,一定培養条件下で1%の細胞を予定胞子細胞に分化させる活性を1単位とした。分化の同定には形質転換株を用いる予定であったが,利用可能な株が得られなかったので,野生株を用い螢光抗体法で当面行うこととし,方法を出来るだけ簡便化し,短時間に夛くの細胞の分化を同定することが可能になった。 2.CM回収法の確立 効率よく因子を集めるために,培養液の組成,pH等を検討した結果単純な塩溶液中で(KCl,NaCl,CaCl_2のみを含む)でpH調整をすることなく48時間培養したもののCM中に最も高くかつ安定した活性が見られた。この条件下で得られたCMは約10000単位/mlの活性が認められる。 3因子の特性 分子量1万以上2万以下の熱に安定な物質。 因子活性の高いCMを大量に集めることと定量法が確立できたので,今後は因子を精製する一方,因子の特性を調べていく予定である。
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