1992 Fiscal Year Annual Research Report
無背椎動物及び下等背椎動物ミオグロビンの一次構造解析とそ分子進化
Project/Area Number |
03640607
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
古郡 隆弘 高知大学, 理学部, 教授 (30036553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 知彦 高知大学, 理学部, 助教授 (60145109)
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Keywords | ミオグロビン / ヘモグロビン / アミノ酸配列 / 軟体動物 / 分子進化 / 分子系統樹 |
Research Abstract |
無背椎動物ミオグロビン、ヘモグロビンは多岐にわたる分子構造をもっている。軟体動物でも腹足綱アワビ、トコブシそしゃく胃のミオグロビンは2ドメイン構造を持つのに対し、同じ腹足綱のアメフラシ、タツナミガイ、トゲアメフラシは1ドメインの通常型のミオグロビンを持っている。そこで同じ軟体動物で、より原始的と言われている多板綱ヒザラガイのミオグロビンの分子構造に興味がもたれた。 今回このヒザラガイそしゃく筋から3種類の単量体ミオグロビンを単離し.その1つについてアミノ酸配列を決定した。それを今までに知られている軟体動物のミオグロビン等と比較したところ.前鰓亜綱のアワビ、トコブシそしゃく筋の2ドメイン型ミオグロビンとはあまり相同性はなく(11〜21%)、後鰓亜綱のアメフラシ、タツナミガイなどの口球にある1ドメイン型のミオグロビンの方により似ている(26〜29%)結果が得られた。今回のデータと軟体動物から今までに知られているミオグロビン、ヘモグロビン19種についてそのアミノ酸配列の分子進化を知るために分子系統樹を作成した。その結果血球に含まれるヘモグロビンと筋肉由来のミオグロビンに大別され、更に筋肉ミオグロビンは2ドメイン型と1ドメイン型が分離した。これらのことから軟体動物ヘモグロビン、ミオグロビンの分子進化は現生種の確立する時よりかなり遠い祖先の段階でさまざまな形に分化進化してきたものであることが推定された。以上の点は同じ軟体動物二枚貝綱のカリガネエガイ2量体ヘモグロビンのアミノ酸配列の決定結果からも支持された。
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Research Products
(1 results)