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1991 Fiscal Year Annual Research Report

クモ類の眼の絶対感度と分光感度変動の比較生理学的・行動学的研究

Research Project

Project/Area Number 03640608
Research Institution九州芸術工科大学

Principal Investigator

山下 茂樹  九州芸術工科大学, 芸術工学部, 助教授 (30091250)

Keywordsクモ / ヤガ / 眼 / 視細胞 / 分光感度 / 絶対感度 / 感度変動 / 遠心性調節
Research Abstract

クモ類は頭胸部上に通常四対八個の眼(前中眼、前側眼、後中眼及び後側眼)を持ち、更に脳内には直接光に対し感受性を示す神経細胞を持っている。コガネグモの四対の眼には紫外線受容細胞(極大感度:360nm)、青受容細胞(480〜500nm)及び緑受容細胞(540nm)のうち2〜3種類の視細胞が存在するが、これらの眼の絶対感度と分光は脳内の光感受性細胞からの司令(神経情報)により遠心的に調節されている。今回、我々はウリキンウワバ(鱗翅目・ヤガ科)の単眼の分光感度をERGを記録して調べた。その結果、ウリキンウワバの単眼もクモの眼と同様に遠心性の調節を受けている事が明かになった。ウリキンウワバの単眼は紫外光(340nm)及び緑色光(520〜540nm)に対しそれぞれ極大感度を示す。また、選択的色順応の結果は単眼には少なくとも紫外線受容細胞と緑受細胞の2種類が存在する事を示している。正常個体では、20〜30分間の背景光照射に伴い単眼の緑色光感度と紫外光感度の比(GR/UV)が大きく低下する。脳と単眼を連絡する単眼神経を切断すると、背景照射に伴うGR/UVの低下は起こらなくなるが、この時切断した神経を遠心的に電気刺激するとGR/UVは顕著に低下する。これらの結果は、単眼のGR/UVを下げる働きを持つ脳からの神経情報が、背景の明るさの上昇に伴い増加する事、及び、自然環境下では、単眼の分光感度が明暗サ イクルに伴い日周変動している事を示している。クモでは遠心性情報は光照射終了後に上昇し暗時の眼の感度を上昇させ、またヤガでは遠心性情報は光照射期間中に上昇し明時の眼の感度を低下させるという異なった働きをしているが、自然環境下での遠心性情報の変動に伴うクモとヤガの眼の絶対感度と分光感度の変動はよく似たものである。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] S.YAMAZAKI: "Efferent control in the ocellus of a noctuid moth" Journal of Comparative Physiology. 169. 647-652 (1991)

URL: 

Published: 1993-03-16   Modified: 2016-04-21  

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