1992 Fiscal Year Annual Research Report
魚類尾部神経分泌系の生理学的作用の解明ー組織化学的および分子生物学的研究
Project/Area Number |
03640635
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Research Institution | TOKYO METROPOLITAN INSTITUTE FOR NEUROSCIENCE |
Principal Investigator |
市川 友行 (財)東京都神経科学総合研究所, 解剖発生学研究部門, 副参事研究員 (90150193)
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Keywords | 魚類尾部神経分泌系 / ウロテンシンI / ウロテンシンII / ラジオイムノアッセイ / 免疫組織化学 / in situ hybridization / 副腎皮質刺激ホルモン放出因子 |
Research Abstract |
1.前年度、尾部神経分泌系(CNS)ホルモンであるウロテンシンI(UI)を化学合成し、我々が既に作成した抗血清を用い、そのラジオイムノアッセイ(RIA)を確立したが、今年度はもう一つのCNSホルモンであるウロテンシンII(U2-α、U2-γ)を合成し、我々が既に作成したU2-αに対する抗血清を用い、RIAを確立した。U2-αとU2-γは、アミノ酸配列が1残基異なるのみであり、用いた抗血清は両者とも交叉する。抗血清の最終希釈倍率は60,000倍で、感度は約20pg/tubeであった。 2.前年度、U1とU2に対する^<35>Sで標識したRNAプローブを用い、組織切片上でそれらのmRNAを捉えるin situ hybridization(ISH)を確立したが、今年度は非放射性プローブ、即ちディゴキシゲニンで標識したRNAプローブを用いたISH法を確立した。さらに、U1と視床下部神経分泌系ホルモンである副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRF)を区別するため、放射性標識合成プローブを用いたISH法も確立したが、非放射性合成プローブでのISH法の確立を図っている。非放射性プローブを用いたISHは、放射性プローブを用いたそれに比べ、解像力が高いこと、安全であること、極めて短時間で検出し得ること、経済的であることなどの点で優れている。 3.現在、RIAおよびISHにより、正常および下垂体摘出魚を用い、種々の生理的状態におけるU1とU2ペプチドおよびそれらのmRNAの動態を調べ、CNSの生理的作用の解明を行っているところである。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Lederis,K.P.,Ichikawa,T.,Richter,D.,and Schonrock,C.: "Molecular analysis of corticotropin-releasing factors and related peptides in teleosts." In:The Biochemistry and Molecular Biology of Fishes.(P.W.Hochachka and T.P.Mommsen,eds.),Elsevier:Amsterdam(in press).
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[Publications] 2. (1993)