堆積盆地モデリングにおける熱流量史評価補正法の確立

1991 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 03640642
• Research Institution: Shimane University
• Principal Investigator: 鈴木 徳行 島根大学, 理学部, 助教授 (00144692)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 三瓶 良和 島根大学, 理学部, 助手 (00226086)
• Keywords: 熱流量史 / 堆積盆地モデリング / 反応速度 / ステラン / メチルフェナントレン

Research Abstract

平成3年度はコンピュ-タモデリングシステム[MAT98]の改良と地化学分析(ステランエピメリ化,メチルフェナントレン,ビトリナイト反射率)を中心に研究を進めた。その成果の一部は,1991年度石油技術協会(千葉市),1991年度日本地球化学会(松山市)において表発した。また,黒海(ブリガリア)堆積盆地を例として実施した熱流量史評価補正法の研究成果は同国の学会誌に投稿中である。
本年度の研究成果の中で,ステランのエピメリ化の反応速度論的条件をMITI新潟平野(抗井名)の岩石試料をもとに決定できた点は特筆に価する。ここで得られた,活性化エネルギ-(95KJ/mol)と前指数因子(0.21S^<-1>)は,Alexander et al.(1986,Org,Geochem.)による,84KJ/mol,0.0066S^<-1>と比較的一致しており,自然界の堆積盆地で適用できる反応速度論的な条件をほぼ決定したものと言える。さらに,この研究で実施した決定方法では,堆積盆地モデリングシステム[MAT98]を使用しており,地層の庄密や熱伝導率の変化などをはじめて考慮した。このようにして求められた例は過去になく,世界ではじめての成果である。この研究成果は現在,投稿準備中である。
また,設備備品として設置した,ガスクロマトグラフにより,芳香族指標のメチルフェナントレンを分析する方法を確立させることができた。MITI高田平野について検討した結果はGeochemical Journal誌に投稿準備中である。

Research Products

• [Publications] 鈴木 徳行,大坂 理,赤坂 正秀: "隠岐島後中新世郡累層に見い出された泥岩中の方沸石コンクリ-ション" 島根大学地質学研報. 10. 89-95 (1991)
• [Publications] Noriyuki Suzuki,Hideki Matsubayashi,D.W.Waptes: "A conversionーdependent kinetic model for Vitrinite reflectance" Researches in Organic Geochevniトtry. 8. (1992)
• [Publications] 王 安生,鈴木 徳行: "中国古第三紀南襄湖成堆積盆地の石油地質地化学" 石油技術協会誌. 57. (1992)
• [Publications] Elli Petseva & N.Suzuki: "Modeling of subsidence and thermal histories of Paleogene sequence in Dolna Kamchia depression(Western Black Sea Basin)" Geologica Balcanica. (1992)
• [Publications] Philp.R.P.,Suzuki.N,Galvez Sinibaldi,A.: "Early Stage incorporation of sulphur into protoーkerogens and possble kerogen precursors" 「Organic Matter:Productivity,Accumutation,and Preservation in Recent and Ancient Sediment」,Columbia Univ.Press.(1992)
• [Publications] N.Suzuki,H.Matsuーbayashi,D.W.Waples: "Evaluation of a simple model of vitrinite reflectance based on chemical kinetics,by J.J.Sweeney and Alan K.Burhham:Discussion" Amer.Assoc.Petrol.Bulletin. (1992)
• [Publications] 三瓶 良和,市場 健二,鈴木 徳行: "空気燃焼法によるケロジェンイオウ濃度の測定" 島根大学地質学研究報告. 10. 75-80 (1991)
• [Publications] 三瓶 良和,平坂 健,鈴木 徳行,徳岡 隆夫: "宍道湖湖底堆積物中の粘土鉱物" 島根大学地質学研究報告. 10. 81-88 (1991)
• [Publications] 三瓶 良和,高須 晃,鈴木 徳行,徳岡 隆夫: "X線マイクロアナライザ-による中海湖底柱状堆積物におけるC.S.Feの推直分布ーEPMA元素カラ-マッピングによる検討ー" 山陰地域研究(自然環境). 8. (1992)
• [Publications] 三瓶 良和,吉田 憲司,平坂 健,鈴木 徳行,松本 英二: "粘土鉱物および全有機炭素・全窒素濃度からみた宍道湖湖底堆積物の特徴" Researches in Organic Geochemistry. 8. (1992)
• [Publications] Sampei,Y.,Nakai,T.,Suzuki,N.and Sekiguchi,K.: "Methylphenanthvene distribution in the MITIーTakadaheiya well and alterated shals by intrusion from Shinjo Basin in Northeast Japan." Geochemical Journal.