1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03640642
|
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
鈴木 徳行 島根大学, 理学部, 助教授 (00144692)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三瓶 良和 島根大学, 理学部, 助手 (00226086)
|
Keywords | 熱流量 / 熱流量史 / 熱史 / カイネティックス / 反応速度 / コンピュータモデリング / 石油資源 / 堆積盆地 |
Research Abstract |
本研究の目的は,コンピュータシステムを介して,さまざまな熱史評価法がインタラクティブ関連し,それぞれの長所を生かした新しい熱流量史評価補正法を確立することにある. 前年度は,熱流量史を評価補正するための温度指標を確立するため,さまざまな温度指標の中で,特に有効な指標と考えられるビトリナイト反射率,ステラン異性体組成,メチルフェナントレン指標に注目し検討を進めた.その結果,これらの有機物温度指標の実際的有効を明らかにした. 最終年度はこれらの温度指標と堆積盆地のタイプに基づいた熱流量史評価補正法について考察するため,ブルガリア,黒海西部堆積盆地を例として,実際的な検討を行った.同地域の抗井試料について,科学研究費により設備備品として購入したガスクロマトグラフにより,堆積岩中の有機物の分析を行った.同地域の熱流量変化についての地球物理学的考察を行っている文献を調査し,同地域では中生代以降熱流量が減少(冷却)しているものと仮定することができた.このような大局的な熱流量の変化と求められたステラン異性体組成,ビトリナイト反射率などの有機物温度指標に基づいて詳細な熱流量史の評価を試みた.これまでにない新しいアプローチよって,石油資源探査に際してより実際的な熱流量史を提案することができた.最終年度の研究によって,当初の目的であった新しい熱流量史評価補正法について総括することができた.しかしながら,著しい不整合によって堆積物試料が欠如している場合には,有機物温度指標を分析することができないため,この方法には限界のあることもあらためて確認できた.
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] SUZUKI,NORIYUKI et al.: "A conversion dependent kinetic model (Simple Ro) for vitrinite reflectance." Researches in Organic Geochemistry. 8. 57-61 (1992)
-
[Publications] Eguchi N. et al.: "Inverse problem in Kinetic model of petroleum generation." Mem.Fac.Sci.Shimane Univ.26. 29-38 (1992)
-
[Publications] 王 安生,鈴木 徳行: "中国第三紀南襄湖成堆積盆地の石油地質地化学" 石油技術協会誌. 57. 415-426 (1992)
-
[Publications] Suzuki N. et al.: "A simpler kinetic model of vitrinite reflectance. Geologic Note." Amer.Assoc.Petrol.Geol.Bull.77(9). (1993)
-
[Publications] Suzuki N. and Sampei Y.: "Isoprenoid thiophenes in Miocene Onnagawa siliceous sediments, Japan." Mem.Fac.Sci.Shimane Univ.26. 107-115 (1992)
-
[Publications] R.P. Philp, N. Suzuki et al. (J. Whelan and J.W. Farrington editors): "“Orgainc Matter: Productivity, Accumulation, and Preservation in Recent and Ancient Sediment"" Columbia University Press, New York, U.S.A., 533 (1992)
-
[Publications] 鈴木 徳行 石油技術協会編: "最近の我が国の石油開発" 石油技術協会, (1993)