1991 Fiscal Year Annual Research Report
コノドントの混在群集から見たトリアス紀海水準変動認定の試み
Project/Area Number |
03640652
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
猪郷 久治 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (70014818)
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Keywords | コノドント / 混在群集 / 海水準変動 / 安久田層 / 鍋山層 / カルカレナイト |
Research Abstract |
平成3年8月宮崎県西臼杵群上村石灰岩の予察的調査を行い、各層準からトリアス紀のコノドントの抽出に成功している。上村石灰岩の下部層のNeospathodus conservativus帯とN.homeri帯の間、N.timorensis帯とCarinella mungoensis帯の間、C.mungoensis帯とNeogondolella polygnathiformis帯との間、Epigondolella abneptis帯とE.multidentata帯の間に非整合が存在するとされているので主にこの層準をサンプリングした。その結果主にこれらの非整合は基底礫岩と化石帯の欠如によって認められる。混在群集が確認されたのは、Carinella mungoensis帯の基底礫部である。産出化石はNeospathodus timorensis,N.homeriで明らかに下位の層準から誘導されたものと思われる。上村石灰岩のトリアス紀石灰岩シ-ケンスが示す非整合は堆積時の海水準変動を敏感に反映している。 岐阜県郡上八幡町安久田層、栃木県葛生町鍋山層のペルム系の中に介在する混在群集は、赤色のカルカレナイトから産することが明らかになった。カルカレナイトは著いラミナが発達するものと発達しないものがある。前者の例は、鍋山層の中に介在し、X線分析と岩石学的研究の結果イライト、モンモリナイト等の粘土鉱物を含む薄い粘土部と方解石、海百合の破片からなる石灰部とが互層していることが明らかになった。カルカレナイトは石灰岩洞穴を充填する堆積物で、周期的に供給されたことが判った。 カルカレナイトより産するコノドントの混在群集は、トリアス紀後期から前期ジュラ紀にかけての海水準の大変動を示している。
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