1991 Fiscal Year Annual Research Report
貝殻集積層のタホノミ-:掛川,唐浜,宮崎層群を例として
Project/Area Number |
03640654
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
間嶋 隆一 横浜国立大学, 教育学部, 助手 (30202310)
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Keywords | 貝殻集積層 / タホノミ- / 掛川層群 / 宮崎層群 / 唐浜層群 / 古生物学 |
Research Abstract |
本年度は以下の2点を明らかにすることができた。 1.宮崎県の平田川流域岩瀬橋付近の鮮新統高鍋層の貝殻集積層を調査した。露頭上の貝殻の分布状態を詳細に記載し,一部の貝殻については殻の方位の測定を行った。その結果,この貝殻集積層は異なった二つのステ-ジに棲息していた群集から構成されている事が明かとなった。すなわち,殻の方位がランダムで,バッチ状に密集し,異地性の産状を示すCucullaea,Anadara,Paphiaなどの二枚貝類が最初の群集を構成し,棲息時の状態を保って,散在的に産するEufistulana,Barneaなどが二番目の群集を構成する。筒状の殻を持つEufistulanaは最初のステ-ジのCucullaeaの殻を穿孔している。恐らく,最初のステ-ジの貝殻はスト-ムのラグ堆積物で,スト-ムの結果変化した底質に二番目の群集が住み着いたと考えられる。 2.静岡県の掛川地域の鮮新統大日層の貝殻集積層のブロックサンプリングを行い,貝殻集積層の内部構造を明らかにした。サンプリングしたブロックを研究室で処理し,ブロックに含まれる全ての貝殻の大きさ,方位,種名を記載した。貝殻集積層内の二枚貝と巻貝の配列は,それらの流体力学的挙動を考慮すると,この集積層が振動流で形成されたことを示した。この成果は,世界で初めて貝殻集積層の内部構造から集積層の起源を説明したものである。
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