1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03640657
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
尾田 太良 熊本大学, 理学部, 助教授 (60108454)
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Keywords | 有孔虫 / 最終氷期 / 古海洋 / 海水準 / 東シナ海 / 八代海 |
Research Abstract |
平成4年度において、東シナ海東部から採取した柱状堆積物中の浮遊性有孔虫化石群集の時間的変化の解析を行ない次のような結果を得た。本コアの最下部は約28,000年前で、17,000年前までこの海域は沿岸水の影響を受けていたと考えられる。その後、8,000年前にかけて表層水は淡水の影響を強く受けていたと推定される。8,000年前〜6,000年前にかけて急激に淡水の影響は弱くなり、6,000年前頃からは黒潮の影響が表れ始め、それ以降は現在とほぼ同様の海洋環境であったと考えられる。 昨年度八代海中部から採取した3本のコアについて、帯磁率による対比を行ない、その内YS91-1のコア(6m)について、微化石・^<14>Cの測定・最下部のテフラに含まれるガラスの屈折率やEPMAによる化学分析を行なった。その結果、コア最下部の年代は25,000から22,000年前と推定される。erosional surfaceが480cm付近で認められ、その直上でElphidium crispumやAmmonia beccariが初産出する。これらの種は、現在八代海東部の淡水の影響が認められる河口付近に特徴的に分布している。362cmの層準での^<14>Cの測定値は8,911+203年前である。約100cmでの^<14>Cの測定値は4,809+140年前である。この付近からPseudorotalia gaimardiiやFlorilus japonicusが普遍的に産出するようになり、外洋水の影響が著しくなったと推定される。それ以降、現在と同様の海洋環境になったと考えられる。 以上が、当該年度の研究結果である。
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