1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03650009
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
渡辺 一郎 金沢大学, 工学部, 教授 (70019743)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
作田 忠裕 金沢大学, 工学部, 助教授 (80135318)
|
Keywords | ダイヤモンド薄膜 / 高周波グロ-放電 / CVD / ラマン散乱 / 低温成長 |
Research Abstract |
容量結合型の電極構造をもった反応管に外部加熱炉を併用した高周波(13、56MHz)プラズマCVD装置をダイヤモンド薄膜合成に適したものにするための種々の改良を行った。エチルアルコ-ルと水素を原料として、500Wの一定の放電電力のもとで、総ガス圧力、エチルアルコ-ル濃度、加熱温度をパラメ-タ-として、ダイヤモンド薄膜の合成を試みた。合成膜はラマン分光,SEMによって膜薄の評価を行った。その結果、以下の事が明らかになった。 1、外部加熱を利用しない場合は、ダイヤモンドの析出は観測されない。これは放電による自己加熱だけでは、ダイヤモンド析出に必要な基板温度に達しないためである。 2、外部加熱を利用して、基板温度を550℃に設定したとき、総ガス圧力は1〜3Torr、エチルアルコ-ル濃度は1〜3%が、ダイヤモンド析出に最も良い条件である。 3、上記の条件下では、基板温度が350〜800℃の範囲でダイヤモンドの析出が見られる。 4、この内、550〜600℃の範囲では、非ダイヤモンド成分の殆ど無い良質なダイヤモンド膜が得られる。これまで、良質のダイヤモンド膜を得るには、600℃以上の高温が必要であるのが一般であるので、この結果は1つの成果と言えよう。 5、今までに例を見ない、350℃でもダイヤモンドが析出するが、非ダイヤモンド成分の含有もある。この膜のSEM像によると、膜は多重双晶のボ-ル状の粒子より構成されている。 6、基板温度が350℃で、水素濃度を増加すれば、非ダイヤモンド成分が少なくなり、若干の膜質の改善が重られる。
|
Research Products
(1 results)