1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03650009
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
渡辺 一郎 金沢大学, 工学部, 教授 (70019743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
作田 忠裕 金沢大学, 工学部, 助教授 (80135318)
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Keywords | ダイヤモンド薄膜 / 高周波グロー放電 / CVD / 低温成長 / プラズマ / ラマン散乱 |
Research Abstract |
出来る限り、低温で良質のダイヤモンド薄膜を合成することを目的として、容量結合型の高周波(13.56MHz)プラズマCVD装置に外部加熱炉を併用して、ダイヤモンド薄膜の合成を行った。エチルアルコールと水素を原料として、500Wの一定の放電電力のもとで、総ガス圧力、エチルアルコール濃度、加熱温度、電極間距離をパラメーターとして、種々の実験を試みた。合成膜はラマン分光、SEM、ESRによって評価した。その結果、以下の事が明らかになった。 1、管径が50mmの反応管を使った場合、電気炉による加熱を利用しないときは、ダイヤモンドの析出は観測されない。これは放電による自己加熱だけでは、ダイヤモンド析出に必要な基板温度に達しないためである。 2、外部加熱を利用して、基板温度を550℃に設定したとき、総ガス圧力は1〜3Torr、エチルアルコール濃度は1〜3%が、ダイヤモンド析出に最も良い条件である。 3、上記の圧力、濃度下では、基板温度が350〜800℃の範囲でダイヤモンドの析出が見られる。この内、550〜600℃の範囲では、非ダイヤモンド成分の殆ど無い良質なダイヤモンド膜が得られる。 4、350℃でもダイヤモンドが析出するが、非ダイヤモンド成分の含有もある。この膜のSEM像によると、膜は多重双晶のボール状の粒子より構成されている。 5、反応管径を35mmにし、赤外線加熱を使い、電極間距離を最適にした場合、非常に良質の膜が得られる。 6、上記の反応管の場合、外部加熱無しでも、非ダイヤモンド成分の無い良質の膜が得られる。この場合の温度は370℃と見積られる。
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Research Products
(1 results)