1991 Fiscal Year Annual Research Report
レ-ザ共鳴電離法によるSi(III)表面超格子の表面総合エネルギ-の測定
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03650012
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
井上 雅彦 名古屋大学, 工学部, 助手 (60191889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 健治 名古屋大学, 工学部, 教授 (10023144)
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Keywords | レ-ザ共鳴電離 / スパッタリング / シリコン / 表面超格子 / 飛行時間分析 / 表面総合エネルギ- / 三連パルス法 / 線形応答理論 |
Research Abstract |
スパッタリングによって固体表面より放出される粒子の運動エネルギ-、荷電状態などは表面第一層の幾何形状、結合エネルギ-、電子状態などを反映している。本研究では、このことを積極的に手法として利用し、スパッタ中性粒子の速度分布から単結晶表面構造の解析、特に表面総合エネルギ-を決定することを目的としている。本年度の主な成果は以下の2点である。(1)検出される信号には散乱粒子,二次イオン,中性粒子が含まれる。これらを分離するために三連パルス法を開発した。これはレ-ザパルス1ショットに対してイオンビ-ムパルスを3ショット照射し、散乱粒子+中性粒子,散乱粒子,散乱粒子+二次イオンの三種の飛行時間スペクトルを測定し、積算後に各スペクトルの差をとることにより中性粒子と二次イオンのスペクトルを得るというものである。この手法の有用性を確認するために鉄を試料として測定を行い、二次イオン及び中性粒子スペクトルを得ることに成功した。但し、レ-ザ照射に伴う雑音が大きく、今後の課題となっている。(2)レ-ザ共鳴電離法における検出効率は、レ-ザ照射時にイオン化領域に存在うる粒子数に依存するため、観測される飛行時間スペクトルはゆがめられ、真のスペクトルとは異なったものとなる。観測されたスペクトルから真のスペクトルを予測するために、簡単な線形応答理論による計測システムの定式化を行った。これによりレ-ザ照射位置、タイミング、一次イオンパルス波形等の各測定パラメ-タと、実測されるスペクトル及び真のスペクトルの対応関係が明らかになった。この定式化のひとつの応用として、一次イオンパルス波形の影響を調べるために方形波パルス及びなまったパルス入力に対する出力スペクトルのレ-ザ照射時刻依存性のシミュレ-ションを行った。その結果、出力スペクトルの形状が、入力波形の変形に対してかなり敏感であることが明らかになった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Masahiko Inoue: "Linear Response Theory for Velocity Pistribution Measure ment of Sputlered Neutral Particles by Multiphoton Resonance Ionization Spectroscopy" Jpn.J.Appl.Phys.(1992)
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[Publications] Masahiko Inoue: "On the Window Matrix in Linear Response Theory for Multiphoton Resonance Ionization Spectroscopy" Jpn.J.Appl.Phys.(1992)