1991 Fiscal Year Annual Research Report
低波数域ラマン散乱による半導体の結晶欠陥の評価解析
Project/Area Number |
03650015
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中島 信一 大阪大学, 工学部, 教授 (20029226)
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Keywords | ラマン散乱 / 低波数域測定 / マルチチャネル検出器測定 / SiCの積層不整 / 酸化物高温超伝導体 |
Research Abstract |
マルチチャネル検出器を用いた低波数域のラマン散乱を可能にするため、零分散フィルタ-分光器と単分光器を組み合わせたトリプルモノクロメ-タ-を完成させた。反射損失を極力減少させるため、分光器の反射鏡には反射率が97%の銀蒸着鏡を用い、フィルタ-分光器には1800本/mmのブレ-ズドホログラフィックグレ-ティングを用いた。この結果、低波数域の迷光レベルを減少さすことができ、従来マルチチャネル検出器では200cm^<-1>以上の波数領域しか測定できなかったが、改良の結果50cm^<-1>以上の領域での測定が可能になった。さらにダブルモノクロメ-タ-と遮蔽フィルタ-を組み合わせる方式を試み、100cm^<-1>以上の領域でCCD検出器によるラマンスペクトルの測定を行う事ができた。 熱処理によってポリタイプコンバ-ジョンを起こさせたβーSiCの積層欠陥を、この分光システムを用いた低波数ラマンスペクトルの測定から調べた。750ー800cm^<-1>の高波数領域のモ-ドには積層不整の影響は顕著に見られなかったが、265cm^<-1>以下の音響分枝の折り返しモ-ドにはこの影響が明確に見られた。このことからSiC結晶の積層不整を解析するためには低波数域のラマン散乱が不可欠であることを確かめた。 また酸化物高温超伝導体の低波数域のラマン散乱スペクトルをマルチチャネル検出器を用いて測定し、光電子増倍管による従来の測定デ-タ-に比べ5倍程度S/N比が改善されたことを確かめた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] S.Nakashima,M.Hangyo: "Raman Intensity Profiles and the Stacking Structure in SiC Polytypes" Solid State Communication. 80. 21-24 (1991)
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[Publications] S.Nakashima,K.Mizoguchi: "Structure Analysis of Semiconductor Surfaces and Films by Raman Scattering Technique" International Journal of Engineering Science. 29. 381-389 (1991)
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[Publications] M.Hangyo,S.Nakashima: "Raman Spectra of BiーSrーCaーCuーO Glasses" Solid State Communication. 77. 713-716 (1991)
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[Publications] S.Nakashima,K.Mizoguchi: "Characterization of Epitaxial Thin GaP Films on GaAs by Raman Scattering" Journal of Applied Physics. 69. 8304-8309 (1991)
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[Publications] S.Nakashima(joint work)Edited by D.J.Lockwood and J.F.Young: "Light Scattering in Semiconductor Structure and Superlattices(pp.291ー309)" Prenum Press New York, (1991)