横ゼ-マンレ-ザの注入同期による光論理素子に関する研究

1991 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 03650040
• Research Institution: Doshisha University
• Principal Investigator: 大田 建久 同志社大学, 工学部, 教授 (40066246)
• Keywords: 横ゼ-マンレ-ザ / σモ-ド / πモ-ド / 反射光の注入効果 / 共振器の異方性

Research Abstract

本年度は共振器の異方性が小さい内部鏡単一モ-ド633nmHeNe横ゼ-マンレ-ザの偏光出力の離調特性と横磁界強度依存生,そして外部共振器による反射光の注入効果について理論および実験の両面より詳細に研究を行った。
まず共振器の異方性の大きい横ゼ-マンレ-ザでは,σ利得とπ利得の自然軸方向への投影成分により直線偏光が発振するのに対し,共振器の異方性の小さい横ゼ-マンレ-ザでは自然軸の影響を受けず,偏光特性は自然軸に対する印加磁界角度θを変えても変化せず,弱磁界(9〜18ガウス)において磁界と垂直な方向に直線偏光発振を生じる。そして中磁界(27ー90ガウス)において,σーπ遷移間の競合関係により偏光面を50ﾟ〜130ﾟの範囲で回転することが明らかとなった。さらに強磁界(99〜144ガウス)においては,2つの偏光状態が存在する。その一つはσ利得とπ利得の合成されたモ-ドの発振による偏光面,もう一つはσモ-ドとπモ-ドの同時発振した偏光面の状態である。
次に外部共振器による反射光の注入の結果,共振器の異方性がレ-ザの偏光特性に大きく影響することが確認され,共振器の異方性が小さいほど反射光に対し敏感に反応することが明らかになった。また共振器の異方性の小さい横ゼ-マンレ-ザでは,外部共振器の振動にともない偏光出力の変化が見られるが,それらは不安定であり再現性も低いため,今後実験率の改良が必要となる。
次年度では本年度の成果をふまえ,横ゼ-マンレ-ザの偏光特性について定量的な解析をすすめることが必要である。また共振器の異方性の小さい単一モ-ド633nmHeNe横ゼ-マンレ-ザ(スレ-ブレ-ザ)に外部レ-ザ(マスタ-レ-ザ)光を注入し,スレ-ブレ-ザの偏光制御特性について明らかにすることが重要である。

Research Products

• [Publications] 田中 義人,大田 建久,一ノ瀬 琢美,村上 文夫: "2モ-ド安定化内部鏡HeNeレ-ザ" 電子情報通信学会技術研究報告. 91. QQE91-153 (1992)
• [Publications] 田中 義人,大田 建久,一ノ瀬 琢美,村上 文夫: "マイクロプロセッサ制御による内部鏡HeーNeレ-ザの周波数安定化(II)" レ-ザ-研究. 20. (1992)