1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03650043
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
小西 哉 信州大学, 繊維学部, 助教授 (70142750)
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Keywords | 高温超伝導アクチュエ-タ / 高温超伝導ファイバ / マイスナ-効果 / Y系高温超伝導体 / ポリアクリル酸法 |
Research Abstract |
平成3年度は,Y系高温超伝導焼結体ファイバを用いて,アクチュエ-タの試作を行った. (1)オリジナルな高温超伝導粉末作製法であるポリアクリル酸法により作製したY系高温超伝導導粉末を用いて,超伝導アクチュエ-タに適する臨界電流密度を有する断面積0.5mm^2の高温超伝導ファイバを作製することができた。 (2)このファイバを用いて駆動用のステ-タを作製し,直径1mmのネオジウム系小型磁石を用いてスライダを作製した.この構成によって高温超伝導小型アクチュエ-タの動作原理の確認を行った. (3)超伝導アクチュエ-タの動作を確実にし,解析を容易にするために,真空中でアクチュエ-タを間接的に冷却するシステムを作製した.購入備品の真空ポンプを冷却容器の排気に用いた. (4)ファイバに流す電流を順に切り換えて,超伝導のマイスナ-反発力を失わせてスライダを移動させるための制御・駆動システムを作製した. (5)購入備品の高精度レ-ザ変位計を用いて,静的に浮上するスライダおよびロ-タの浮上量を非接触で測定するシステムを作製した. (6)研究の過程で,次のような問題点が見いだされた.得られた焼結体ファイバのマイスナ-反発力がファイバにより微妙に異なっていた. 本研究が目指すmm以下の高温超伝導アクチュエ-タでは,わずかな特性のばらつきでも,動作に直接に影響する.また,現状の焼結体ファイバは断面積がまだ大きく,マイスナ-状態を破るのにIA近くの電流を必要とする.より細く均一な高温超伝導ファイバが必要である.今後は,粉末焼結ファイバの太さと均一性の改善を目指す.また,申請者の発明したアルギン酸法による高温超伝導ファイバの利用を検討する.
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