1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03650045
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
長谷川 高陽 愛媛大学, 理学部, 教授 (10029879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 政彦 愛媛大学, 理学部, 助手 (70222429)
井上 直樹 愛媛大学, 理学部, 助教授 (50110771)
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Keywords | 超音波 / 放射圧 / 異常負圧効果 |
Research Abstract |
本研究は2か年計画で実施されているものである。その初年度にあたる平成3年度の研究は、当初の計画通り進捗している。まず理論面の成果として、球面波音場に置かれた球に働く異常負圧効果に関する理論を開発し、異常負圧効果の生じる条件と、その発生機構を明らかにしたことである。球面波音場の場合は、異常負圧効果はとくに音源近傍に置かれた直径の小さい球において顕著に現れることを定量的に示し、その閾値を球径と音源からの距離の関数として与えることに成功した。また球面波音場で異常負圧効果を生じる原因は、物理的にはベルヌ-イの定理を2次の微小量まで拡張するこさにより説明できることが明らかとなった。 以上の理論を検証するために、固体球に作用する音響放射圧が、超音波の振動数、音源と球との間の距離、球径、球の材質とどのように関係するかを調べる実験を、無響大水槽中の球面波音場において行った。この過程において、定在波音場(完全な定在波でなくともよい。いわゆる準定在波)においても、大きさは小さいが、負の音響放射圧が現れることが実験的に確認された。この実験の成功は当補助金設備備品費で購入した、広帯域電力増幅器およびファンクション・ジェネレ-タに負うところが大きかった。現在、理論と実験結果を比較中であるが、いままでのところ、理論と実験の重大な不一致は見出されていない。すなわち、本研究は順調に進捗していると考えられる。 本年度は、現在超音波の工学的・医学的応用に最も多用されている、円形平面振動子から放射される音場における超音波の異常負圧効果について理論的・実験的に研究を進める予定である。この場合の異常負圧効果の発生機構は、球面波音場の場合とは全く異なり、また関係する要因も格段に増える筈である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Takahi Hasegawa(長谷川 高陽): "Acoustic scattering by a rigid sphere in the field of waves emanting from a circular concave radiator" J.Acoust.Soc.AM.
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[Publications] Takahi Hasagawa(長谷川 高陽): "Acoustic radiation pressure acting on spherical and cylindrical shells" J.Acoust.Soc.Am.