1991 Fiscal Year Annual Research Report
共鳴イオン化法を用いたアナログ光コンピュ-タの研究
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03650047
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
箕輪 達哉 東邦大学, 理学部, 講師 (10181968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桂川 秀嗣 東邦大学, 理学部, 助教授 (70130359)
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Keywords | 半導体レ-ザ- / 比例計数管 / レ-ザ-誘起蛍光分光法 / 同位体シフト / 衝突イオン化断面積 |
Research Abstract |
本年度の実績は二点に分けることができる。一つは半導体レ-ザ-分光計を製作しリチウム原子の分光が行えるようになった事であり、第二はイオン信号を検出するための重要な道具である比例計数管の分解能を、極めて簡単な方法で向上させることができたことである。この二点につき以下に詳述する。 (1)半導体レ-ザ-分光計の製作:半導体レ-ザ-は極めて温度に敏感であるから、高精度な測定をするために温度制御装置を製作し温度変動を±0.005以内に抑えた。この半導体レ-ザ-光をホロ-カソ-ドランプで生成したリチウム原子に照射し、レ-ザ-誘起蛍光分光法を用いてスペクトルを観測した結果リチウムの同位体シフトを観測することができ、このレ-ザ-分光計の精度の高さを確認することができた。 (2)比例計数管の分解能の向上:ガス増幅作用を起こすための電極の形状とアルゴンガス圧を変えて最適な組み合わせを調べた。その結果、平行平板を電子のコレクタ-として使用し、500ト-ル程度のガス圧で比例計数管を作動させたときに最も分解能が向上するという知見を得ることができた。この結果を電子の衝突励起断面積と衝突イオン化断面積のエネルギ-依存性から解釈することを試みた。すなわちガス増幅作用は電子のエネルギ-がすべて衝突イオン化に消費されたときにその分解能が最大になるのであるから、他のチャンネルでエネルギ-が失われる確率を小さくするような電極の形状とガス圧を設定すればよいことになる。本年度の研究で得られた結果はこの条件を満足していると推測される。 (1)と(2)を組み合わせて共鳴イオン化法による演算装置を製作しその精度を調べる事が今後の課題である。
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