1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03650055
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
片山 忠一 大阪府立大学, 工学部, 講師 (70081255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 吉彦 大阪府立大学, 工学部, 教授 (90032268)
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Keywords | 太陽輻射圧 / 姿勢制御 / 人工衛星 / 柔軟付属物 / 安定性 |
Research Abstract |
太陽電池パドルなどの柔軟な弾性付属物がスピン安定化衛星の姿勢安定に及ぼす影響について検討した。 スピン軸に垂直な面内に柔軟付属物を持つ衛星について、リャプノフの方法により衛星姿勢の安定条件を導出した。付属物の連続体モデルおよび離散化モデルともに同じ形の安定条件が得られた。これにより、スピン軸は最大慣性主軸でなければならないこと、衛星のスピン速度がスピン軸に関する付属物の慣性モ-メントおよびスピン軸方向の付属物の振動の固有振動数により制約を受けることなどが示された。次に、離散化モデルについて運動方程式をたて、RKG法による数値シミュレ-ションを行い、安定条件の数値的検証を行った結果、スピン軸に垂直な面内の付属物の振動は、衛星の姿勢運動には直接影響しないが、スピン軸方向の付属物の振物に起因する安定条件を満足しない場合、姿勢運動は不安定な挙動を示すことが確かめられた。 ピッチ軸方向に柔軟付属物を持ち、衛星本体内部のモ-メンタムホイ-ルにより姿勢の安定化をする大型衛星について、重力傾斜の影響とモ-メンタムホイ-ルの安定化効果と柔軟性の影響の3点を考慮して、リャプノフの方法により安定条件を導出した。得られた安定条件より、重力傾斜による不安定化とモ-メンタムホイ-ルによる安定化効果の関係を明らかにすることにより、モ-メンタムホイ-ルの有効性を示した。柔軟性の影響については、ヨ-軸方向の振動が姿勢運動に大きく影響を与えることがわかった。 最後に、大型太陽電池パネルの角度を変えて太陽輻射圧の大きさを調整することで衛星の姿勢制御を行うことの可能性を検討した。適切な衛星の姿勢を保つことは可能であり、この姿勢制御法が有効であることを数値シミュレ-ションにより確かめた。
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